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【超入門】 -続- フライトジャケットについて 〈13JKI00〉

3.ライトゾーン(LIGHT ZONE )の系譜

L2Aimg58068648L-2シリーズ(L-2、L-2A、L-2B)  

夏期用フライトジャケットも製造生地(ナイロンへ)の変更は行われたが、冬期用に比べて優先度が低かったこともあり、革製から布製へのシフトは1945年5月以降となった。この時に採用されたのがB-15をベースとしたL-2だが、朝鮮戦争に実戦投入された後、このシリーズは長く改良を加えらながら最終的には1970年代まで使用される傑作となった。デザイン的にはMA-1の影響を受けているが中綿が無いライトゾーン用となっている。また薄い裏地と肩にはエポレット、裾のウェスト・タブがMA-1と異なる。Nシリーズと同じで初めはエアフォース・ブルー(AFB)だったが、1950年代中頃、L-2Bからは他のシリーズのジャケットと同様にシルバー・グレー(セージ・グリーン)に変更されている。

 

4.海軍採用の独特のデザイン

WEPhouston-wep-5509x-5J-WFS (G-8/WEP) 

米国海軍が1950年代後半に採用したフライトジャケットで、正式名称はJ-WFS(ジャケット、ウインター・フライング・スーツ:J-winter flying suit)だ。これが通称、WEPもしくはG-8だが、ちなみにWEPとは仕様を制定した海軍兵器局の略称である。WEPジャケットは海軍の代表的ナイロン製のフライトジャケットであるが、極端に短い裾などの独特の形態を持ち、ボタン付きのライニングにはコットンが使用された。また、ニット地の襟、リブ仕様のスタンド・カラー、胸には大型ポケット、袖口リブニットのV字カットなどが特徴。サイドポケットは折り返しが付き内部の物が落ちにくい構造で、スナップボタンでポケットを留める形式だ。

G-1が中間気候地帯で使用する為に支給されたのに対してJ-WFSは冬季用とされた。更にJ-WSFは、WFSという厚手のフライトスーツと重ね着をすることが前提に開発され、これを併用して着用することで寒冷地での任務にも対応可能であった。

 

5.インターミディエートゾーン( INTERMEDIATE ZONE )の現行モデル

CWUj-cwu45p-f-7CWU-45/P、CWU-36/P  

CWU-45/P は、米国全軍(含む海兵隊)において制式採用されている、現行モデルのフライトジャケットだ。J-CWFSという最初期のものから、MIL-J-83388A~83388Eまでバリエーションが多い。1973年に米国海軍が先行採用し、1976年には空軍にも採用された。その後、海兵隊・沿岸警備隊等も採用している。基本色はシルバー・グレー(セージグリーン)だが、最近では砂漠戦域など用にデザート(タン)カラーのモデルも採用されている。尚、ラウンド・カラーの衿、ポケット・フラップのベルクロ留めが特徴。

ベトナム戦争での教訓をもとにパイロットや機内搭乗員の火災による被害を押さえて生存率を上げるため、シェルの生地にはナイロンに代わり、デュポン社が開発した難燃素材「ノーメックス(NOMEX)」(アラミド繊維の一種、アロマティック・ポリアミド:400℃の熱に約15秒耐えることができる))が使用され極めて耐火性が高くなっている。

同様に難燃素材「ノーメックス(NOMEX)」を使用した、CWU-45/PのサマーバージョンともいえるのがCWU-36/P。中綿を省略しているので薄手であり非常に軽量で機動性に富んでいる。またCWU-45/Pと異なり前面ファスナー部分に防風用の前立てがない。

当初、背面に特徴的なアクション・プリーツが採用されていたが、保安上の理由からこのプリーツは廃止された。アクション・プリーツの付いた初期生産型でコンディションが良好なのものはコレクターからも珍重されている。またCWU-45/PにはH-CWFSという脱着式のフードが存在したが、あまり使用されることはなく短期間で生産を終了した。 最初期型のモデルにはベルクロ脱着式の内ポケットがあり、レスキューパネルと呼ばれるオレンジ色の布が収納されていた。

 

6.フライトジャケット以外

タンカース41n94hmc7eL._SX342_M-41 タンカース

WWⅡ中の1941年に米国陸軍機甲部隊隊員(戦車・装甲車乗員)の冬季戦闘服として開発・支給された「タンカース」ジャケットは正式名「WINTER COMBAT JACKET」 といい、本来はフライトジャケットではない。しかしA-2では欧州戦線の寒冷な気候に対応できなかったたにめ、戦闘機パイロットのなかには機甲部隊から譲り受けるて着用する者も多かったそうだ。保温性、遮風性に優れ、戦車などの狭い車内でも活動し易い細身の構造で、これが航空機の操縦席等で着用する上でも有利となった。素材はコットン、裏地にウール・ブランケットのライニングが使用されている。

N1im61363168N-1 デッキジャケット

1944年~1950年代に採用されていた米国海軍の艦艇乗組員(主に甲板員:デッキクルー)用のジャケットのこと。デッキジャケットと呼ばれていた。また着丈の短いフック・タイプと呼ばれるモデルもある。

製造当初の1944年にはネイビーカラーが製造されたが希少であり、表面はジャングルクロス(グログラン)という防風・撥水性の高いコットン素材を使用、衿と裏地には遮風性と保温性に優れたアルパカ・モヘアのパイル地が使われていた。翌年(1945年)にはカーキ色となり、袖口裏に縫いつけられていたパイルの省略や、脇下のトラウザースを取り付けるためのループの簡略化、裾部分にあるドローストリングスコード用アイレットの大型化等の改良が加えられた。

 

フライトジャケットも旧来の要件である「寒さからの保護」という役割から大きく変化し、現在のフライトジャケットで何より重要とされているのは「着用者を火災から護る」ということである。

-終-

 

 

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