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『ショック・ドクトリン(The Shock Doctrine)』-2、新自由主義とシカゴ学派経済学者の陰謀!?  〈248JKI28〉

ショック下1ダウンロードノーベル経済学賞を受賞したミルトン・フリードマンをご存知だろうか? 大学で経済学を専攻した人以外は、なんとなく名前は聞いたことがあるが詳しくは知らない、という程度だろう。

そのフリードマン率いるシカゴ経済学派の考え方が「惨事便乗型資本主義」の基盤にあるという。そこで今回では、「惨事便乗型資本主義」の底流にあるミルトン・フリードマンと新自由主義の野望をクラインの説に従い解説していく。

 

※前編の『ショック・ドクトリン(The Shock Doctrine)』-1、火事場泥棒の資本主義は本当にあるのか!? ・・・をなるべく併せてお読みください。

 

ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』における主張

ナオミ・クラインはその著書『ショック・ドクトリン』の中で、「真の変革は、危機的状況のみがもたらす」と唱えるなどの、徹底した市場原理主義を提唱したシカゴ学派経済学者のミルトン・フリードマンらの学説を強く批判している。

そこでは、社会が大きな困難に見舞われた際に多くの一般民衆たちが惑わされ、彼らが目の前にある救済策に飛びつくのを利用して、本来なら容易に受け入れられない大企業寄りの政策を強行するネオ-リベ(ネオ-リベラリズム Neo Liberalism)政府の悪辣な手法を論じているのだ。そしてそんな傲慢で傍若無人な「惨事便乗型資本主義」をクラインは厳しく追及しているのだ。

 

ノーベル経済学賞を受賞したフリードマンは、1970年代までのアメリカ合衆国で主流だった、「政府が需要を創造し経済を牽引する必要がある」としたケインズ経済学派の介入政策に反対し、「企業の自由」を掲げて、規制撤廃や民営化促進などの自由放任経済政策の必要性を強く訴えたのだった。

しかしクラインは、この様なフリードマンの徹底的な市場(優先)主義を『ショック・ドクトリン』と名付けては、「人類社会を破滅に導く危険な思想」と自らの著作で主張したのである。

シカゴ学派経済学者たちは国際的な大企業や有力な投資家の利益を代弁して、「小さな政府」主義を標榜しては「福祉国家」体制を攻撃し、「国家の役割は警察と契約の強制のみで充分であり、他はすべて民営化し市場原理に委ねよ」とまで論じていた。

しかし当時は、通常の先進国においてはその様な過激な政策は多くの有権者から拒絶されていた為に(当然ながら)実現は困難であり、前回に触れた軍部の独裁体制下のチリで(実験的に)実行に移されたのである。

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