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皆さん、トリアージ(triage)をご存知ですか? 〈387JKI10〉

傷病者の緊急度に応じて治療や搬送の優先順位を決めるトリアージ(triage)について、皆さんはご存知でしょうか?

自分自身が医療関係者でなくとも、災害などに遭遇した時にトリアージの意味を知って協力できれば、少しでも多くの傷病者を救えるかも知れません!!

 トリアージとは

トリアージ(triage)とは、災害や大事故発生などの非常事態で傷病者が同時に数多く発生した場合に、医療資源(医師・医療スタッフや医療設備、医薬品等)が制限される状況で、一人でも多くの傷病者に対して最善の治療を実施するため、対象傷病者の重症度や緊急度に応じて搬送や治療の優先順位を決めて区分することであり、日本国内での統一・標準化が図られています。

救急・救命活動の3T原則と言われる、選別(Triage:トリアージ)、治療(Treatment:トリートメント)、搬送(Transport:トランスポート)のひとつです。もともとtriageはフランス語で「選別」を意味する「trier」が語源で、良い物だけを選ぶ、選別するという意味です。

傷病者に対するトリアージの概念は、当初、フランス革命において傷病者の地位・身分の分け隔てなく、重傷者を優先して治療するという民主主義的な発想から始まりました。やがて、ナポレオン戦争時代には、兵力の早期補充のために傷病兵の中から比較的軽傷な者を手当てしては再び戦線に復帰させ、重症者の施療・治療は後回しにするという方式が導入されましたが、以降、各国の野戦病院や軍の医療機関では軍事的に必要性の高い傷病者に医療資源を集中して対応し、組織や戦力の維持を図るための全体主義的な差別型トリアージが継承されました。

しかし、救える者は皆救おうとする「医の倫理」においては、見方によってはトリアージは非道とされかねません。民主主義的な思想の強い米軍などでは、第二次世界大戦後までトリアージに否定的だった、ともいわれています。

戦前の日本軍でも、当初(明治の頃)は差別的な治療に当たるとして導入しないことにしていました。しかし、西洋から取り入れた野戦病院のシステム自体がトリアージの実施を前提に構築されていたため、その後、日本軍では「分類はするが優先順位はつけない」という独自のトリアージを確立しました。しかし、やはり優先順位がないと野戦病院は機能しないため、やがて軍の医療関係者にだけ順位が分かるような隠語で優先順位をつける方式へと変化していきますが、この様な日本軍独自のトリアージも、第二次世界大戦の終戦とともに失われました。

また、歴史的にトリアージとは傷病者の数が医療資源の対応力をはるかに超えてしまうような野戦病院などにおいて導入された概念であるため、本来は医療資源が豊富であればその必要は無いもの。そこで、比較的医療資源が豊富だった米軍ではトリアージの導入は遅く、初めて組織的に導入が行われたのは朝鮮戦争の時でした。

現代の救命・救急医療におけるトリアージは、これらの戦時の野戦病院での取り組みが非常時の民間医療に採用されたもので、世界的にも今日のようなトリアージの考え方は、比較的最近になりようやく確立されました。

我が国では1996年に阪神・淡路大震災の教訓をきっかけに、総務省・消防庁によってトリアージ・タグの書式が、世界で初めて国単位の規格として統一されました。

ちなみに、一般病院の救急外来での優先度決定も広義のトリアージとされ、「識別救急」とも称されています。

この他、直接医療とは関係ありませんが、例えば大規模な地震災害などで大量の避難者が出て、避難所が大幅に不足する場合などに避難所の利用者に優先順位を付けて受け入れる「避難所トリアージ」といった考え方もあります。

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One thought on “皆さん、トリアージ(triage)をご存知ですか? 〈387JKI10〉”

  1. トミーズのゴン says:

    トリアージだが、最近では、御嶽山の噴火災害の被害者が付けて下山しているのを、テレビで観た。医療関係者ではなくとも、知識として身につけておけば、なんらかの役に立ちそうだ。

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