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【東洋医学】 中医学に学ぶ(1) 六つの体質 〈33JKI00〉

陰陽印ダウンロード中医学では気・血・水健康を支える三本の柱である、とされている。この三つの要素が過不足ない状態で体を巡ることによって健康が維持されているとし、また各々の不足と滞りが各種の疾病を患う根底(ベース)にあるとも考えられている。そこで本稿では、気の不足(気虚)と滞り(気滞)、血の不足(血虚)と滞り(瘀血)、水の不足(陰虚)と滞り(痰湿)、合わせて六つの不健康を招く体質に関して簡単な解説を試みる。

 気虚(ききょ)

気の不足するタイプの体質・・・倦怠感・息切れ・冷え性・風邪を引きやすい など

気は元気・気力・やる気の気であり、人の活力の源であり一種のエネルギーだ。そのため、誰でも激しい運動や労働を行うと気が低下したり不足した状態となり、疲労・倦怠や息切れなどを生じ冷え性になったりする。

しかし、しっかりと食事をしてきっちりと睡眠を取れば普通は自然に気は回復するのだが、過労やストレスが継続すると気の回復が大幅に遅れ、また慢性的に気が低下・不足した状態となると栄養や新鮮な空気を吸収する力までが衰え体調全般が不調になる。この様にして気の低下・不足により、身体の活力が大きく低下している状態を「気虚」と言う。体のだるさや倦怠感は、この気虚の代表的な症状である。

気は栄養素を胃腸が消化・吸収しそこから作り出されると考えられている。そのため胃腸が弱かったり機能低下したりしていると、どうしても気が不足することになる。また、精神的なストレスを連続して受けること、つまり極度に「気を使う」ことが気虚の原因でもある。

気は免疫力や自然治癒力を支えている根本の要素の一つであり、気虚になると免疫力が低下し病気に罹り易くなり、また回復力も弱体化する。また花粉症などのアレルギー症状なども表れ易い。

過労や精神的なストレスの蓄積などによって、身体のエネルギーが低下・不足していることにより気虚となっている場合が多いので、気分転換やリラックスを心掛けるとともに、じっくり体力を回復するための良い生活習慣を続けることが重要だ。

 

気滞(きたい)

気の流れが滞るタイプの体質・・・イライラ・怒りっぽい・不安・憂鬱 など

本来、気は滞りなく体内を一定のペースで巡ることで健康な状態を招くもの。気が順調に巡ると自律神経のバランスもほど良く整うが、滞るとそのバランスも崩れてしまう。その上、精神的に抑圧されたり強度のストレスが続くことで気の巡りをコントロールする身体機能が低下し、様々な症状が表れ、気の流れが滞る状態を「気滞」と言う。

気滞になると自律神経のコントロールがうまくいかず、更に精神的に不安定となり、イライラや怒りっぽくなり、落ち込みも激しくなる。

気は頭部に滞りがちで頭痛を引き起こし易い。また気の巡りを司る臓腑は肝と言われ、肝の経路が体の両側面にあるため気滞の症状は、こめかみの痛みや、両脇の張り、乳房の張りなど、体の側部に出やすい。胃や下腹が張ったり、不眠、高血圧、生理不順などとして現れてくる。特に女性の場合は月経前や排卵期は気の循環が停滞しがちである。

気滞の状態を放置すると、ストレスに益々弱くなり、気の滞りが増し、気と共に体内を巡っている血の循環までが影響を受けることがある。更に心身が疲弊し、気滞の症状が顕著になる場合が多い。

通常の精神的なストレスはもちろんのこと、季節の変わり目や気候の変動、大きな外傷を負 った時、運動不足や暴飲暴食による体の変調なども気滞の原因。特に精神的なストレスはそれを放っておかず、少しでも滞りを感じたら気がスムーズに巡る様子を意識して、ストレスを発散させ気の流れをコントロールすることが大切だ。

 

血虚(けっきょ)

血が不足するタイプの体質・・・めまい・立ちくらみ・顔色が悪い・肌が乾燥・不眠 など

血の働きが低下し血液の循環が悪くなり、また、広義の血の総合的な力、すなわち身体全体に栄養分や酸素を充分行き渡らせ、老廃物などの害のある不要なものを体外に排出する能力が低下・不足して、血そのものも少ない状態のことを「血虚」と言う。西洋医学でいう貧血と別もので、単に血の量や成分が足りないのではなく、 血の力が不足している状態。

血には体を温める働きがあるが、血虚となると血行も悪くなり、冷えの症状が表れ貧血気味や栄養失調となることが多い。更にホルモン分泌が不調となることで 自律神経がうまく機能しなくなる。

特に女性の場合、当然ながら生理による出血により男性よりは血が不足し易い。偏食の傾向があり単調な食生活を送っている人は、血を生み出す栄養分が不足して血が足りなくなることがある。また、妊娠そして出産は血をたくさん消耗するので、産後はどうしても血虚になりがちである。更に、月経過多などによって血虚になる場合もあり、血虚をそのままにすると、子宮内膜が薄くなったり、生理の周期が短くなったり、不妊などの恐れも出てくる。婦人科系の病気全般に関わる体質であると言えよう。

 次頁へつづく

 

 


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