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《ファンタジーの玉手箱》 ナルトもビックリ、本当の“九尾の狐”伝説!! 〈2354JKI40〉

今回の《ファンタジーの玉手箱》は、最近ではTVアニメの『NARUTO -ナルト- 疾風伝』(原作漫画は岸本斉史さん作の『NARUTO -ナルト-』)で広く知られた“尾獣”と呼ばれた妖狐について触れてみましょう。

この漫画やアニメでは、体内に“九尾の妖狐”を封印された忍者の少年“うずまきナルト”が、里の忍者の頭である“火影(ほかげ)”を目指して仲間の忍者たちと共に数々の試練を乗り越えて成長していく物語ですが、この記事ではその彼の体内に封された“九尾の狐”に関する我国古来よりの本当の伝承・伝説を紹介したいと思います…。

 

《神獣・霊獣・瑞獣伝説と化物・妖怪・悪獣とする二つの説》
狐という動物は、古来より精霊や妖怪に近い生き物とされており、何らかの霊力や妖力を持つとされてきました。そして古の中国の神話において、年を経て力を増した狐は尻尾が割れて増えていき、最終的には9本にまで増えるとされ、これが“九尾の狐(きゅうびのきつね)”の由来なのです。この生き物は、“九尾狐(きゅうびこ)”または単純に“九尾”とも呼ばれますが、複数の尾をもつ狐の総称として“尾裂狐(おさき)”とも言われています。

しかし、吉兆をもたらす瑞獣・神使とされる場合と、人を惑わし害をなす化物・妖怪とされる場合があり、また善狐(ぜんこ)と妖狐とに分類する方法もあります。

古代中国などでは本来の性格・性質が人にとって善きことをもたらす善狐の中で、千年以上生き永らえた狐を“仙狐(せんこ)”としました。また別の呼び方として、千歳を超えて強力な神通力を持ち神獣となった善狐を“天狐(てんこ)”と呼びましたが、この狐の尾は通常2本もしくは4本(稀に9本)とされています。体毛は白く眼は金色に輝き千里眼を持っており、様々な出来事を見通す能力を有しますが、一部にはこの狐に憑かれた人間は、占いや予言で何でも言い当てる等の神通力が備わるとされています。

この“天狐”はまさしく神獣の代表例でありますが、“天狐”が更に二千年生きると遂に“空狐(くうこ)”となり、この場合はあらゆる神通力を自在に操れる大神狐であり、既に尾は無くなり狐耳を有した人の姿をした神様になるとされていました。

但し、江戸時代末期の随筆『善庵随筆』などにある皆川淇園(みながわ きえん、江戸時代中期の儒学者)の説によると、“天狐”や“空狐”は現実には姿・形がなく霊的な存在とされています。尚、淇園の説では、“天狐”や“空狐”の他に“気狐”というクラスがあり、また最上位は“空狐”ではなく“天狐”で、この大神狐は神に等しく、天狗と同一だとしています。

これらの神狐は、更に習合により、我国では稲荷神の神使(しんし)である“白狐”と同一視される場合も多くある様です。

そして“白狐”と云えば、こうした善狐には“白狐(びゃっこ、はくこ)”、“黒狐(くろこ、こくこ)”、“金狐・銀狐(きんこ・ぎんこ)”などの色分けによる種類があるとの説もあります。“白狐”は白い毛に覆われ人々に幸福をもたらす善狐の代表格で、稲荷神の眷属もほとんどがこの善狐です。“黒狐”は、黒い毛色を持つ北斗七星(天帝)の化身であり、世の権力者が善政を行う時「太平・平和の象徴」として出現するとされています。

こうした様々な種類のある善狐ではありますが、但し、中には悪戯好きのものや少々性格のよろしくない狐もいる様ですし、善狐でも尻尾が9本あれば“九尾の狐”には違いありません。

 

一方、妖怪組の中核となる層には野狐(やこ)という種類がおり、これはいわゆる野良の狐のことです。中国では“仙狐”を目指して修行中の狐で、まだ“仙狐”の域に達していない狐のことを指す場合もあります。憑きモノの一種ともされ、この野狐に憑かれた人物と敵対したり仲の悪い者に対して害を為すと云われています。

そして野狐の中でも人々に危害を与える妖狐の代表が、“九尾の狐”の中でも後述の『玉藻前』に化けた“白面金毛九尾の狐”であり、これは妖怪タイプの最終進化形とされ、まさしく悪狐(あっこ)の権化とも云われる存在なのです。

更に、禅宗の世界では未だに悟りを得たという確証がないのに、己の勝手な慢心から既に悟ったとする狐を“野狐禅”と称するそうです。

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