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【製本講座】 本の構造を表す用語について 〈1647JKI34〉

前回の中古本の状態を表す用語解説に引き続き、この記事では通常の製本や書籍全般に関する言葉や決まり事などについてご案内しようと思います。業界関係者以外には意外と知られていない用語もあると思いますので、いきなりだと解り難い面もありますが、よろしく、字句・用語の意味をご確認願います。

【中古本講座】 本の状態を表す用語について…はこちらから

 

一般的な書籍の部位の名称などについて…

・天 (てん・あたま)…本を立てた場合の本の上側・上部辺、上側に見える切り口(各ページの最上部)のことです。尚、「天」を金色に塗ったものを「天金」、染色したものを「天染め」と呼びます。ちなみに、ここを断裁しない文庫本もあります。

・のど…表紙と見返しの接するところであり、本の中身が背に接する部分のこと。もしくは本を見開いた時の中央部分、本の中側のことを指します。「のど」の方に寄せて本文を書き込むと、綴じ方によっては綴じた時に読めなくなる場合があり、製本時の綴じ方によっては見にくい箇所ともなります。また「のど」を平綴じをする場合に他の綴じ方よりもスペースが必要です。

・小口(こぐち)…本を閉じた時のページの側面部分で、言い換えれば本を見開い時の両端の部分でもあり、広義な意味では「のど」を除いた3方の辺を含めることもあります。この場合、上の小口を「天」、下の小口を「地」といい、「のど」の反対側の小口を「前小口」もしくは単に「小口」と言います。但し一般的には、「前小口」のことだけを示す場合が多い様です。また、「天」だけでなく三方を金色に塗ったものを「三方金(小口金)」、マーブル模様をつけたものを「マーブル染め」と言います。そして、辞書や事典などで半円形の切り込みを入れたり、各項目の一文字目を「小口」に出したものを「つめかけ」と呼びます。更に、製本の際に化粧断ちをせずに、ペーパーナイフなどで各ページを切りながら読んでいくものを「アンカット製本」と言い、この製本による「小口」を「アンカット小口」と言います。

・地(ち)…本の下側のことで、本を立てた場合に下側になる切り口(各ページの最下部)を指します。「天(あたま)」の反対側で「罫下(けした)」とも言いますが、「天」と合わせて「天地」となります。

・表紙(ひょうし)…その名の通り本の表面で、本の中身を保護するための外装のことです。開きはじめの側を「表表紙(おもてびょうし)」(略して「表1」)、反対側でその本の後側を「裏表紙」(略して「表4」)と呼びます。また本棚などに収納した時に見えている部分で通常は表題/タイトルが書かれているところを「背表紙」と呼び、その本のページ数により大きさが変わります。「表表紙」の裏が「表紙裏」(略して「表2」)で、「裏表紙」の裏側を「裏表紙裏」(略して「表3」)と言います。ちなみに、「表紙裏」の次のページを「表2対向」、「裏表紙裏」の前のページを「表3対向」と呼んだりもしますが、広告扱いでよく使われる表現ですね。表紙の種類としては、革で作られた「革表紙」や、角を革でおおった「角革(角皮)」、「背」から数cmのところで別の革や紙で継いだ「継ぎ表紙」などの様々なタイプがあります。尚、書籍類や雑誌には表紙がありますが、新聞にはありません。

・帯(おび)…主に販促手段として、その本の宣伝文やキャッチコピーなどが印刷された細長い帯状の紙のことで、表紙やカバー/ジャケット、函の上から本に巻く形のものが多い様です。別名としては「帯紙」・「腰巻」・「腰帯」、「はかま」などとも呼ばれます。推薦文やあらすじ、または紹介文などを少ない文字数でまとめてあり、多少凝ったデザインでアイキャッチの効果を出しています。「付け物(付き物)」の一つであり、我国独特のもので海外の新刊書籍には見当たりません。

・背(せ)…本の綴じてある方の外側のことで、その本の表題/タイトルが書いてある部分です。上記の「背表紙」と実質イコールでもあります。「背」の幅は、表紙・本文等の装幀・紙質とページ数によって異なります。また通常は表題/タイトルや著者名などの「背文字」が、様々なフォントやレイアウトで工夫して印刷されており、読者や利用者に内容が分かり易く、または読書欲が高まる様に配慮されています。尚、上製本では丸みを帯びた「丸背」、角張った「角背」などがあります。

・背文字…書物の「背」に付けられる表題/タイトル(書名)や著者名などの文字のことです。製本時に文字を入れることを「文字入れ」と呼び、豪華な書籍では金属箔をつけて型押しする「箔押」(はくおし)等が行われる場合もあります。

・角(かど)…「小口」の「天」・「地」の端っこ、隅のことです。文字通り、表紙の角(かど)と言っても良いでしょう。通常は直角ですが、丸く仕上げた「角丸(かどまる)」、「丸隅(まるすみ)」や上製本・洋装書などに多い革/クロスを貼り付けた「角革(角皮)(かどかわ)」、金属で覆った「角金(かどかね)」などの装丁もあります。

・版面(はんづら)…本文と呼ぶ場合が一般的ですね。文字や画像などが入る部分のことで、全ページのレイアウトの基準となりますが、通常は「ノンブル」や「柱」は含めません。

・ノンブル…ページ番号のことです。ちなみに「ノンブル(nombre)」とはフランス語で、日本語では「番号」、英語では「ナンバー(number)」という意味になります。

・キャプション…写真や図表などの補足説明のことです。補足が主目的ですから、なるべく簡易な文にして、本格的な説明は本文上などで行います。

・柱(はしら)…その本の表題/タイトル(書籍名)や各章の題名、節の見出しなどを記したものです。主として各ページの「版面」の外に置かれ、読んでいて気にならない様なデザインにしてあります。

・段間(だんま)…本文を二段組み以上にした場合にできる段と段の間のことです。使用された文字の大きさにもよりますが、通常は二文字分ほどの間隔を空けることで、見易い段間となるとされています。

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