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【中古本講座】 本の状態を表す用語について 〈1647JKI34〉

先日、ある読書好きの友人から、中古本を古書店等で購入する際に参考とする為に、中古本の状態を表す用語について解説して欲しいと頼まれました。そこでごく簡単にですが、中古書籍のコンディションに関する言葉や決まり事の一部をご案内しようと思います。

こんなことはとうに承知しているという方も多いとは思うのですが、中古本漁りの初心者で最近になり古書店巡りをはじめたという読書ファンに、是非とも役立てて頂ければと考えて、敢えて記事としたものであることを、よろしく、ご了解ください。

【製本講座】 本の構造を表す用語について…はこちらから

 

中古書籍の状態(コンディション)を表した用語…

・ヤケ …酸化や日光が当たったり、経年などの影響で劣化して、褐色・赤褐色などに変色もしくは退色したり、色落ちし白っぽくなっている場合を指します。特に本文内にある場合は「本文ヤケ」と明示されていることもあります。

・シミ…「天」・「地」・「小口」もしくは本文ページ等に斑点状や部分的に汚れがついた状態で、長年にわたり付着した埃の影響などで発生することもあります。食品の滓やインク等が零れた跡だったり、水分に濡れたことによる輪染みの場合も考えられます。

・汚れ …通常は、自然に発生する劣化からくるものではなく、なんらかの原因があって起きた汚れを指します。長期間の使用による汚れがほとんどで、擦れた為に「平」の部分が黒ずんだりしたものも含めます。

・スレ …表紙などにある擦れたような跡や摩擦による黒ずみなどがある状態と指しますが、比較的、目立たないものが多い様です。

・ムレ…本やその一部のページが水分等に濡れたことでフヤケてしまい、波打ったりしている状態のことです。

・ワレ…「背」の部分が割れたりヒビが入ったりして、「のど」の部分から何れかのページが外れそうになっている状態を指します。

・ヨレ…カバー/ジャケット等の角や縁がよれた状態のことを言います。

・コワレ…当該書籍の製本の崩れて、各ページや紙片がバラバラの状態になっていることです。

・潰れ…落下や打撃などの原因で、本そのものの「角」や何れかのページの「角」などに損傷や歪みが生じている状態のことです。

・反り(そり)…通常は、表紙部分が反り返っている状態を指しますが、本全体が反っている場合もあります。

・波打ち…「そり」と同様に、何らかの原因で「平」などの部分が反り返ってしまったものです。

・疲れ…表紙やカバー/ジャケットなどに微細な皺がよったり、一部がささくれていたり、あるいは破れそうになっている様子を指しますが、目に見えた破損が無くとも、所謂(いわゆる)劣化・使用感がある状態を表わす場合もあり、「くたびれ」とも言います。

・痛み…経年の使用による細かな傷跡や、函や本の端・角などが擦れたり小さく破損したり、カバー/ジャケットなどに少々の切れ目や破れなどがある状態のことです。

・折れ…以前の所有者によって、ページの「角」などが目印として折られている状態のことです。但し、別の原因で折り目がつく場合もあり得ます。また、「ドッグイヤー(犬耳)」と呼ばれる場合もあります。

・キレ…「帯」やカバー/ジャケットなど、もしくは本文部分に切れ目等が入っている状態のことです。

・凹み…落下や打ち付けで、本の「角」や「平」の何れかが潰れていたり窪みがある場合のことです。

・剥げ(はげ)…テープの跡などで、その部分が薄く剥がれてしまっている状態を指します。逆の現象として「ラベル跡」があります。接着剤が強すぎた為、価格ラベル等の残滓の一部が本に残ってしまっているものを指します。

・破れ…「帯」やカバー/ジャケット、または本文について、破れてしまってその部分の紙が無くなってしまっている箇所があることを指します。

・印…本の何れかの場所に、蔵書印や何らかの印判・印鑑等が押されているものを指しますが、「見返し」部分に押印されていることが多い様です。

・書込…以前の所有者等によって、当該の本やその函に筆記具等を用いて文字・マークなどが書き込まれている状態のことです。またかつての所有者の名前などが書いてある場合は、特に「記名」などと呼ばれることがあります。

・線引…以前の所有者によって、本文などに筆記具等を用いて線(直線・波線その他)が引かれている状態。通常ではこの場合は、黒や青色での筆記を指します。

・朱線引…当該の本やその函に赤色の筆記具等で線(直線・波線その他)などが引いてあることですが、稀にカラーペン・色鉛筆などを用いた他の色の場合もあります。

・裸本…本来あったカバー/ジャケットなどが無くなっている場合を指します。

・虫喰…虫喰跡があること。

・カビ …黴が発生している状態を指します。

 

以上、中古書籍に関するコンディションを表わす業界用語の一部を紹介致しました。尚、現実の使用例としては『カバー少スレ、小口ヤケあり、ページ下部少シミあり』などと表記されており、これは、「カバーに少し擦れがあり、小口が日焼けしています。ページの下部に少し濡れ染み跡があります」といった意味になります。

また因みに、古書を購入する際にはなるべく詳細にコンディションを表記している業者を選択することが好ましいと思われます。勿論、絶対とは言えませんが、細かく丁寧かつ正直に解説を施している業者ほど、信頼に足る良質な古書店である場合がほとんどです。

 

読書好き・古本マニアの方、古書店の店頭での購入時のみならずネット通販などにおいても、購入希望書籍の現状確認の為にこの様な用語の意味を是非とも理解の上、ご参考として活用ください…。

-終-

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