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【モニュメンツ・メンの戦い】 何故だ、映画『ミケランジェロ・プロジェクト』公開中止の理由? 〈248JKI28〉

ミケ79141Dt4-bsL._SL1500_2018年改訂版〉ジョージ・クルーニーの映画『ミケランジェロ・プロジェクト』は延期を経て、日本での公開は中止となったままだ。※2015年11月6日に日本公開済。

この映画は、ナチス・ドイツから略奪美術品を奪還する実話を基にしたもの。

ロバート・M・エドゼルの原作のノンフィクション『ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』をジョージ・クルーニーの監督・脚本・主演で映画化した作品だ!!

ロバート・エドゼルの原作本について

『ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』は、ロバート・M・エドゼル(Robert M. Edsel)のノンフィクション小説で、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが略奪した美術品などを奪還するために組織された特殊部隊「モニュメンツ・メン(Monuments Men)」の活躍を描く戦記である。

モニュメンツ・メンとは、第二次世界大戦下の1943年から戦後の1951年までにわたり活動した、連合軍の「記念建造物(モニュメンツ)・美術品(ファイン・アーツ)・公文書(アーカイヴズ)/MFA&A」部隊所属の兵士たちのことである。

ナチ美術品1ダウンロードMFA&Aの当初の任務は、城址や教会などの歴史的な建造物に対する戦闘被害を最小限に抑えることだったが、やがて、独軍の戦線が後退していくにつれ、ナチスにより運び去られた美術品や文化財を探し出し、回収することに任務のウエイトは移っていった。彼らは、ヒトラーの魔の手から、歴史的な建造物や遺構、文化財などを出来るだけ保護し、また奪い去られた美術品等の奪還を任務として奮闘したのだった。

『ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』は、まさしく、美術品奪還の最前線で活躍したモニュメンツ・メンの知られざる活動を、当時の日記や手紙、また本人や関係者へのインタビューを駆使して再現した、秘話的な歴史ドキュメントである。

 

本書のハイライトは、ヒトラーの自殺後に、彼の山荘そばの坑道の中で膨大な数の美術品コレクションが発見された時だ。

ナチスの指揮官の命令で、そのすべてが爆破されようとしたところ、危機一髪、モニュメンツ・メンの活躍で美術品等を無事回収することに成功したのだ。その中にはミケランジェロやフェルメールなどの名作が多くあり、まさに手に汗握る場面の連続である。
戦後、モニュメンツ・メン隊員たちの功績は長年埋もれていたが、2007年に彼らを顕彰することが公式に認められた。米上下院議会で、その活動が改めて評価されたのである。

 

著者のロバート・M・エドゼル(Robert M. Edsel)は1956年に米国で生まれた。1995年にフィレンツェへ移住したのを切っ掛けに、イタリアがどのようにして芸術作品をナチスの手から守ろうとしたかに関心を抱き、そこからモニュメンツ・メンの活動を調査し始めたという。

ナチスによる美術品略奪と連合軍によるその奪還を描いた写真集『ダ・ヴィンチを救う』や、原作本(邦訳は白水社刊)が全米批評家協会賞を受賞した、ドキュメンタリー映画『ヨーロッパの略奪』の共同プロデューサーを務めた。他の著作に『イタリアを守れ─ナチスからイタリア国宝を救う競争』(2013年)などがある。

また多くの慈善事業に携わり、その活動が評価されて、「大統領の奉仕への呼びかけ」賞、「人間への希望」賞などを受賞している。また2007年には、モニュメンツ・メン財団を設立し、略奪品の返還に力を注いでいる。

映画『ミケランジェロ・プロジェク』とは

『ミケランジェロ・プロジェクト(原題:The Monuments Men)』は、ジョージ・クルーニー監督・脚本・製作・出演による2014年のアメリカ合衆国の映画

上記のロバート・M・エドセル著の『ナチ略奪美術品を救え─特殊部隊「モニュメンツ・メン」の戦争』を原作としており、第二次世界大戦時にナチスによって貴重な美術品や文化財が破壊される前に奪還を試みる連合軍将兵の活躍が描かれている。

製作は、コロンビア映画や20世紀フォックス等が共同で実施し、米国では2014年2月7日に公開された。

主演はクルーニーの他にマット・デイモン、そしてビル・マーレイ、ジョン・グッドマン、ジャン・デュジャルダン、ケイト・ブランシェットら実力派豪華キャストが出演している。

 

↓『映画『ミケランジェロ・プロジェクト』予告編』より  提供:entermeiteleeiganavi

 

総統アドルフ・ヒトラーの命を受けたナチス・ドイツは、侵攻した欧州各国の美術品を次々と略奪していく。

ハーバード大学付属美術館の館長ストークス(ジョージ・クルーニー)は、このナチスの蛮行に危惧を抱き、ルーズベルト大統領を説得して美術品や歴史的建造物を保護する部隊モニュメンツ・メンを結成する。そして、中世美術に精通したグレンジャー(マット・デイモン)や建築家キャンベル(ビル・マーレイ)などの隊員を集め、戦乱のヨーロッパへと赴く。

しかし、敗戦間近で自暴自棄となったナチスや、何かにつけ米英軍の妨害をしようとするソ連軍が彼らの前に立ちはだかる中、モニュメンツ・メンは略奪美術品の奪還作戦を遂行していくが・・・。

ミケランジェロの名作をはじめとする人類の遺産ともいうべき美術品の数々、その運命は果たしてどうなるのか? というのが映画のストーリー。

 

ところで、ナチの手でドイツ本国へ持ち去られようとする貴重な美術品を奪還する物語としては、ちょっと古いがジョン・フランケンハイマー監督がバート・ランカスター主演で映画化した『大列車作戦(THE TRAIN)』(1965年)が忘れられない。

略奪した美術品を列車で運び出そうとする独軍に対して、フランスの鉄道員たちが不屈のレジスタンス活動を繰り広げる戦争ドラマ。

奪還のための壮大なトリックが痛快だ。また、主人公をはじめとするレジスタンスたちの、ナチの美術品強奪を阻止しようとする揺るぎない執念が見事に描かれている。

尚、この『大列車作戦』は筆者の大好きな映画なので、是非、別稿で取り上げたい・・・。

「諸般の事情」により公開中止

映画『ミケランジェロ・プロジェクト』は、日本国内では数度の延期の後、本年(2014年)秋に公開が予定されていたが、6月になって20世紀フォックス映画から劇場公開中止の発表がされ、前売券払い戻しなどの告知が行われた。

海外では2度ほど延期された後に最終的には公開されており、この延期については、編集作業の遅れであるとの発表や、オスカー賞レースに対するエントリー調整であるとかの見方がされていた。

しかし、日本での公開中止の理由はただ単に「諸般の事情により」というもので、甚だ釈然としないものだった。現在でも、この様に中止の理由が不可解な為、色々な憶測が渦巻いている。

海外でも決して大ヒットとはいえない興行成績だったようだが、日本での公開を中止するほどの状況ではなかった。 映画そのものの評価も、可もなく不可もなく、という声も聞こえてきたが、さりとて、これも中止の理由とは言えない。

大変、うがった見方だが、ジョージ・クルーニーの映画『ミケランジェロ・プロジェクト』の日本での公開中止は、このナチスが強奪した美術品等の所在についての問題を、これ以上世界的に広げたくない米国内やスイスなどに存在する、かつてナチスの略奪品の処分活動に関わってきた勢力の見えない圧力(バイアス)によるのではないか? という説が有力だ。

また他には、(更に疑わしいが)旧日本軍が戦時中に東南アジアで略奪した美術品を返還せよ、と騒ぎだす勢力がいるからではとの見方もあるそうだ。

実際には、米国内の美術館や美術品のコレクターが、ナチスが戦前・戦中にスイスの画廊や画商(ベルンのグーテクンスト・クリプシュタイン Gutekunst Klipstein:現コルンフェルト Kornfeldやルツェルンのフィッシャー Fischer、チューリヒのフリッツ・ナタン Fritz Nathanなど)を経由して略奪美術品を売り捌いた際に、大量に購入したことは間違いのない事実であり、この所蔵品を正当な所有者に返還すること極力拒んでいるのも確かのようである。

ここにきて俄然、都市伝説的な話になるのだが、この様な(公開中止)説も否定できないと思うが、如何だろうか・・・。

-終-

【追加情報】
本作は当初2014年秋に日本公開が予定されていたが、本記事の通り諸般の事情から中止となり、今般改めて正式に公開されることが発表された。本年(2015年)11月6日より東京・TOHOシネマズ シャンテほかにて全国ロードショーの予定だ。⇒ 公開済み

【追加情報】
2016年4月6日、DVD&Blu-ray盤が発売された。

【続:モニュメンツ・メンの戦い】 まだまだある、ナチスの略奪美術品を探し出せ!!・・・はこちらから

 

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2 thoughts on “【モニュメンツ・メンの戦い】 何故だ、映画『ミケランジェロ・プロジェクト』公開中止の理由? 〈248JKI28〉”

  1. 支那竹 says:

    たしかに、この映画。楽しみにしていたのに~どういうこと、と思っていた。
    こんな大陰謀が裏にあつたなんて。

  2. 公開決定 says:

    良かったですね
    観にいこうと思います
    東南アジアの美術品と聞いてもいまいちピンと来ませんが
    ガムランとかそんなやつですかね?
    国立民族博物館で足りてると思うんですけど

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