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虫の居所が悪い、その虫とはなんだ?

虫の居所が悪い、虫が好かない、癇の虫・・・。感情表現に虫が出てくるのはなぜだろう。あなたの体の中にも虫がいる?寄生虫ではない。人間が生まれた時から、体内には虫がいると考えられていたのだ。

 

無題

左から下尸、中尸、上尸の三体

その正体は三尸(さんし)の虫。古代中国に由来し、天帝(天上の最高神)に人間の悪事を告げようとする体長約6センチほどの小さな虫という。上中下の三種類がいて、 道士の姿をした上尸・獣の姿をした中尸、牛の頭に人の足の姿の下尸がいる。ちなみに上尸は頭におり目を悪くし、顔のしわをつくり、髪を白くする。 中尸は腸内にいて五臓を悪くし、悪夢を見させ、大食させる。 下尸は下半身にいて命を奪ったり、精力を減退させる。いずれも人間の寿命を司る「死命神」から使わされており、 ある日の夜、人間が寝ている間に人間の体を抜け出して、天上界に昇り、 死命神にその人間の行状を洗いざらい話をしてしまう。人間にとっては厄介な存在だ。死命神はその報告を聞き、悪い行いをした人の寿命を縮める。 それならば三尸の虫を退治できないだろうか。いろいろな手が考えられていたようだ。

1.金丹という薬を服用する。
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これは漢方薬。もっと怪しい薬だったのでは?

中国の古典には「金丹」なる夢のような薬の話しが出てくる。 金丹を服用すれば、三尸の虫を殺し、身体を鋼鉄のように硬くし、身を風のように軽くし、人を仙人に変えると言う。金丹のレシピには、様々なものがあるが、その中でも特にポピュラーな原料として、「丹砂」がある。これは、要するに「水銀の化合物」である。また、ヒ素の化合物も原料だという。これを服用するのだというから、三尸の虫はおろか飲んだ人が死んでしまうだろう。(あまり現実的ではないようだ)

2.魔除けの猿をおく

001042_li猿は 魔が「去る」とか、何者にも勝る(まさる)、という言葉遊びの縁起かつぎもあるが、本来は鬼門除けの役割であった。丑寅の反対は未申(ヒツジサル=南西)で裏鬼門とされる。この方角から猿を持って来たのは、いわば毒をもって毒を制する発想だという説もある。鬼門の方角に猿を置き魔よけとした例もある事から、 猿は「三尸の虫封じ」であるとも考えられていたらしい。日光東照宮で有名な「見ざる、言わざる、聞かざる」も三尸の虫の行動とは真逆の立場をとりますよという姿勢なのかもしれない。

3.五穀を断つ

kome古代から五穀とは何を指すかというのは、流動的であったようだが米・麦・粟・豆・黍(きび)または稗(ひえ)を指すことが多い。穀物を人間の穢れにまみれた俗世の物と考え、それを食さないことで修行者の身を清廉にする行もあったという。穀物以外の木の実や草根を主として食べたというが、やり方に決まった方法はない。お腹がすきそうで、健康にも悪そうだ。

4.眠らない
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飲み明かせば虫も動き出すまい!

庶民は寝ないで一晩中起きていて、三尸の虫が体から抜け出られないようにしたそうだ。平安貴族たちは、夜通しで碁を打ったり、詩歌弦楽の遊びをしたという。江戸時代以降、庶民は酒宴を開き、ごちそうを食べて夜を明かした。短絡的だが、楽しく乗り越えられそうな方法だ。事実、この方法が一般的だったようだ。

 

 

これは我が身を省みるいい機会であったかもしれない。自分の悪事が心配になり、祈りをささげて懺悔を乞うのだ。虫に見張られているから、謙虚な心ももちあわせていたのだろう。もちろん、全て虚言妄言で有るのだが・・・。誰かが見ている、悪いことをすると罰があたる。その根底には三尸の虫がいたのかもしれない。

 

 
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