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《英国海軍の猫たち》 オスカー、サイモンやフレッド、そして多くのShip’s Catsの仲間を紹介します!! 〈1619JKI34〉

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軍艦の砲身から顔を覗かせる猫

先日、親しい友人から「君はネコ派、それともイヌ派?」と聞かれました。決して動物が嫌いという訳ではないのですが、僕は今までペットを飼ったこともなく、しばし答えに窮してしまいました。

しかしネコに関しては色々な逸話を知っていますから、きっとネコ好きなのでしょうネ・・・。

 

英国海軍の猫たち

昔から大切な食糧品を鼠の被害から守るために、船(フネ)には猫を飼う習慣がありました。それはマスコットを兼ねてでしたが、軍艦においても例外ではありませんでした。

そこで今回は少々唐突ではありますが、女王陛下の海軍艦艇に乗組んでいたニャンコたちを紹介したいと思います。

オスカー(Oscar)アンシンカブル・サム(Unsinkable Sam)

ビスマルク1unsinkablesam4

ドイツ戦艦 ビスマルク

もともとドイツ海軍の戦艦ビスマルクに乗艦していたドイツ猫でしたが、1941年5月27日にビスマルクが英国艦隊の砲撃で沈められてしまい、英国海軍の捕虜猫? となりました。2,206名の乗組員の内で救助されたのは、わずか115名でしたが、このネコは英駆逐艦コサックが救助した唯一のビスマルクの生存者(猫)として、幸運にも命拾いをしました。

コサック1unsinkablesam5

英駆逐艦 コサック

駆逐艦コサックに救われたこのドイツ猫は、ここで「オスカー」と命名されました。その後、コサックはジブラルタル海峡から本国へ帰国の途につきました。ところが1941年10月24日、ドイツ海軍の潜水艦・U-563の雷撃によってコサックは大破し10月27日に沈没、159名が戦死しました。生存者は駆逐艦リージョンへと移ります。そしてオスカーは、今回もしぶとく生き残りました。

アークロイヤル1unsinkablesam6

英航空母艦 アーク・ロイヤル

次にオスカーが乗組んだのは、航空母艦アーク・ロイヤルでした。オスカーが「アンシンカブル・サム(不沈のサム)」と改名されたのはこの艦でした。たぶん、もう沈まない様にとの希望をこめての命名でしょうね。

しかし残念なことに、アーク・ロイヤルも1941年11月14日にマルタ沖でU-81による雷撃を受け、ジブラルタル海峡の沖合48km付近で転覆、沈没してしまいました。但し、この時は非常に多くの生存者がおり、アンシンカブル・サムも、艦載艇の端にしがみついているところを無事に救助されました。

まさかとは思いますが、駆逐艦コサックも空母アーク・ロイヤルもビスマルク追撃戦に参加して彼女の撃沈に一役買っていますから、オスカー改めサムが仇を討ったのではとの説もあります。そんなこともあってか、アンシンカブル・サムことオスカーはその後、二度と海軍艦艇への乗組みは許可されず、イギリスへと移送されて静かな余生を送り、1955年に亡くなりました。

尚、イギリスのグリーンウィッチにある国立海事博物館には『ビスマルクの猫、オスカー』という銘板が展示されているそうです。

サイモン(Simon)

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英スループ艦 アメジスト

中国に英国人保護の目的で派遣されていた英海軍スプール艦アメジストは、1949年4月に揚子江で中国人民解放軍の攻撃を受けて乗組員17名が戦死、25名が負傷します。この時、乗組猫のサイモン(香港でアメジストの乗組員ジョージ・ヒッキンボトム二等水兵に拾われた野良猫) も瀕死の重傷を負いました。

その後、人民解放軍に抑留されて身動きがとれないアメジストの艦内で、傷つきながらもサイモンは数か月にわたり必死に任務(ネズミの捕獲)を続けます。

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英国海軍 サイモン

やがてアメジストは脱出に成功し、他の(人間の)生存者と共に凱旋したサイモンは、マスコットとして乗組員の士気を高め、貴重な食料をネズミの被害から守り続けた功績により、従軍記章とDickin Medal (戦闘で功績のあった動物に与えられる勲章)を授与されました。

その後、サイモンは英国サリー州の動物センターへ引取られて、そこで余生を過ごしました。そして戦傷がもとで、1949年11月28日に他界したと云います。

また、このアメジストとサイモンの物語は、1957年公開の『Yangtze Incident(揚子江事件)/The Story of HMS Amethyst』というイギリス映画になりました。尚、主演はリチャード・トッド、ウイリアム・ホールデン他です。

フレッド(Fred Wunpound Cat)

ヘカテー1a137_b

英海洋調査船 ヘカテー

フレッドは1966~1974年の長期間にわたり、英海軍の海洋調査船ヘカテーに乗組んでいたネコです。

英海軍で最後のマスコット猫として、ネズミ捕獲員を拝命していましたが、英海軍が(衛生上の問題などを考慮して)マスコット動物の排除規則を施行したことで引退することになりました。

フレッド1fred-wunpound_01-141x300

英国海軍 フレッド

その後、サマーセットの学校で余生を送ったといいます。

ちなみに、「Fred Wunpound Cat」という変わった名前は、”found at the pound, and bought for a pound”(動物収容所で見つけられ、1ポンドで買われた)から由来するそうです。

 

その他の猫たち

英連邦の海軍艦艇には、多くのShip’s Cats がいました。戦艦アンソンのアニー(Annie)は子だくさんで有名、軽巡洋艦アルゴノートのミニー(Minnie)はノルマンディ上陸作戦で最初に海岸に上陸したネコ。

撃沈された掃海艇ブランブルの二匹の猫、ジンジャー(Ginger)とミニー(Minnie)は、ソ連向けの船団護送任務中に121名の乗組員と運命を共にしました。

 

ウイスキー102whisky

ウイスキー(Whisky)

戦艦デューク・オブ・ヨークのウイスキー(Whisky)は、ドイツの巡洋戦艦シャルンホルストとの激闘中にずっと寝ていたという、とても豪胆な猫。

デューク・オブ・ヨークはキング・ジョージ5世級戦艦の一隻。第二次世界大戦では大西洋方面で活躍後、太平洋艦隊の旗艦として1945年9月2日の日本の降伏調印式に参加しています。

 

The ship's cats, HMS 'Hawkins'

ティビー(Tibby)ともう一匹

重巡洋艦ホーキンスのティビー(Tibby)と弟分の猫、これも砲身から覗き見しているところ。

重巡洋艦ホーキンスは、ホーキンス級の1番艦。チャタム造船所にて1917年10月1日進水、1919年7月竣工。1947年8月除籍後に解体処分されました。

 

ジンジャー302hood-ginger-fishcakes

ジンジャー(Ginger)とフィッシュケイク(Fishcakes)

巡洋戦艦フッドのジンジャー(Ginger)とフィッシュケイク(Fishcakes)の二匹。

フッドはアドミラル級巡洋戦艦、長期にわたり世界最大で最強の軍艦と言われた。その優美なスタイルでも有名。1941年5月24日、アイスランド近海において、ドイツ戦艦ビスマルクと重巡洋艦プリンツ・オイゲンと戦い轟沈されました。

 

トーゴー102irresistible-togo2

トーゴー(Togo)

少し古いのが戦艦イレジスティブルのトーゴー(Togo)、たぶん名前の由来は東郷元帥から。

イレジスティブルはフォーミダブル級の戦艦。第一次世界大戦に参加、1915年3月18日にダーダネルス海峡にて触雷し戦没。

 

ブラッキー102churchill

ブラッキー(Blackie)

戦艦プリンス・オブ・ウェールズのブラッキー(Blackie)、英国のチャーチル首相が頭を撫でているところ。

プリンス・オブ・ウェールズはキング・ジョージ5世級の2番艦。1941年12月10日、東洋艦隊に派遣されたプリンス・オブ・ウェールズは日本海軍航空機隊の雷撃及び爆撃により、僚艦レパルスと共にマレー沖にて撃沈されました。

 

他にも沢山のマスコット猫がいて紹介しきれません。ドイツ軍やソ連軍もネコ好きですが、やはり英国人が一番の様です。海軍だけでなく陸軍や航空隊でもネコがいっぱい従軍? していました・・・。

 

鼠がいなければ、猫も不要なんでしょうけど、マスコットがいない船(フネ)は寂しいですネ。

古来より船の守り神でもあったネコですから、志願猫は載せてあげてもイイのでは・・・なんちゃって。

-終-

 

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