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【ミリタリー映画館】B-17が登場する映画 第1回、『空の要塞』と『空軍/エア・フォース』 〈18JKI15〉

B-17“Flying Fortress”重爆撃機

【ミリタリー映画館】では今回から暫くの間、アメリカ軍のボーイング B-17 “フライング・フォートレス(flying fortress=空飛ぶ要塞)”4発重爆撃機が登場し活躍する映画を紹介していきます。

主にハリウッド製作の洋画となりますが、一部にはTVドラマ・シリーズも含まれています。また原則としては筆者自ら視聴した作品を掲載する予定ですが、本邦未公開またはビデオ/DVD等未発売のものはこの限りではありませんので、ご了解ください。尚、各連載記事における作品の登場順は、当該映画等の公開順となっています。それでは第1回目として、『空の要塞』(I Wanted Wings/1941)と『空軍/エア・フォース』(Air Force/1943)を紹介致しましょう‥‥。

※連載第2回はこちらから ⇒ 【ミリタリー映画館】B-17が登場する映画 第2回、『コンバット・アメリカ』と 『戦略爆撃指令』〈18JKI15〉

 

さて連載開始にあたり先ず最初に述べておきたい点は、本稿はB-17そのものに関する記事ではないことから、この稀代の傑作爆撃機の開発背景と推移、性能/諸元や搭載エンジン・武器など、そしてその赫赫たる戦歴と評価といった事柄はこれを省きますが、本記事及び以下の連載記事で紹介する映像作品の戦史的背景を簡単に触れておきましょう。

ボーイング社が開発・製造した爆撃機 B-17は、累計で12,000機(13,000機とも)を超える生産数を誇る、強固な防弾装備と多くの防御火器で身を固め4基のエンジンを備えた第二次世界大戦当時のアメリカの代表的な重爆撃機で、主に遠距離の目標に対しての戦略的な爆撃に用いられました。欧州戦線では対ドイツ本国及び占領地区への戦略爆撃に従事し、太平洋での戦いでもその強靭な防御力から日本軍を大いに悩ませました。

※ボーイング社(7,000機弱)の他に生産を担当した航空機製造会社には、ダグラス社(3,000機)やロッキード社系列のベガ・エアクラフト社(2,750機)などがありました。

※当時、アメリカ軍の最高機密の一つであった高性能なノルデン爆撃照準器によって正確な投弾が可能とされていました。映画などでも、この照準器を使用して爆撃を実施する場面が数多く登場します。

さて本機の活躍した場面としては、戦争中盤においてはアフリカ北岸から地中海上を飛行してイタリア戦線等への攻撃を敢行した部隊もありましたが、イギリス本土を基地としてドイツ本国と同占領下の国々へ対してのアメリカ陸軍航空部隊(第8空軍など)の大規模な昼間爆撃作戦が有名です。

またこの作戦では、護衛戦闘機の航続距離が短かった1943年頃まではドイツ空軍の迎撃戦闘機により多数の損害を出していましたが、B-17は強固な編隊を組んで密集隊形をとりながら濃密な防御砲火の弾幕を張りながら高高度で敵地上空に進入し、高射砲による被害を被りながらも戦略目標の爆撃を敢行しました。

1944年以降は、P-51 “ムスタング”を始めとする長距離戦闘機が護衛として随伴、B-17の損害は一気に減少していきます。そしてB-17は、強靭で優れた安定性を有する機体の持ち主であった為、エンジンの一つや二つが損傷して回転を止めても、また機体や翼が穴だらけになっていても、イギリスやその周辺海域まで帰還出来たものが多数ありました。但し、進発した所属基地以外の飛行場や海上への着水、農地や草原などの平坦地等での不時着なども含めての話ではあります。

一方、太平洋戦域では主にハワイやアラスカ・アリューシャン列島地区、またフィリピンやオランダ領東インド、そしてオーストラリアなどに配備されて太平洋戦争の中期頃まで活動したが、1942年後半から1943年にかけてB-17部隊は順次航続距離に優れるB-24に改編されるか他方面に転出していき、太平洋戦線においては戦争後半には偵察や救難などに従事している機体を除きB-17は姿を消してしまった。

それでは以下に、「空の要塞」と呼ばれたB-17 “フライング・フォートレス(flying fortress)”の登場する映像作品を公開年代順に順次紹介していきます。

 

『空の要塞』(I Wanted Wings/1941)は、アメリカ・パラマウント映画の作品。監督はミッチェル・ライゼン(Mitchell Leisen)、主なキャストはジェフ・ヤング役にレイ・ミランド(Ray Milland)、アルを演じたウィリアム・ホールデン(William Holden)、その他にはウェイン・モリス(Wayne Morris)、ブライアン・ドンレヴィ(Brian Donlevy)、コンスタンス・ムーア(Constance Moore)、ヴェロニカ・レイク(Veronica Lake)、ヘッダ・ホッパー(Hedda Hopper)他です。この映画は第14回の米国アカデミー賞特殊効果賞受賞作ですが、日本未公開作品でDVD等もなく筆者未視聴ですので、B-17が登場することは確かな様ですがその内容の紹介は割愛します。

※出演者のひとりである名優ウィリアム・ホールデンは、第二次世界大戦中は陸軍航空隊に所属していましたが、4年間の軍務の後、戦後になり再び映画界に復帰しました。

 

『空軍/エア・フォース』(Air Force/1943)は、ハワード・ホークス(Howard Hawks)監督による1943年製作の戦争映画でワーナー・ブラザースの作品、第16回の米国アカデミー特殊効果賞を受賞しました。

主な出演者には、B-17“メリー・アン”号機長のクインキャノン大尉を演じたジョン・リッジリー(John Ridgely)、副操縦士役にはギグ・ヤング(Gig Young)、当初は反抗的だった機銃手の軍曹をジョン・ガーフィールド(John Garfield)、そしてベテラン機付長の曹長をハリー・ケリー(Harry Carey)が演じていますが、何と云っても老優ケリーの渋い演技が光ります。

彼ら名優が織りなすキャストの性格設定やアンサンブルも充分に素晴らしく、意外にもと云っては失礼かもしれませんが、波乱万丈・起伏に富んだ(但し、冷静に考えれば相当無理のある)ストーリーや終盤の『飛べフェニックス』的な展開が楽しくもあり、日本人としてラストの日本艦隊撃滅の場面が出来過ぎていて鼻につくことや使用されている模型(飛行場への着陸シーンはほとんど模型による)の質が低いこと、並びに日本の軍人達が変な日本語を話す点を除けば、製作時期を考慮すれば充分に愉しめる戦争映画と評価出来ます。

更に撮影の大部分で使用されたB-17が、後に実戦配備されて任務中にそのクルーと共に太平洋上で消息を絶ったというエピソードも心を揺さぶります。

ストーリーの概略 サン=フランシスコからホノルルに向けて飛び立ったB-17爆撃機中隊の4番機である“メリー・アン”号は、到着寸前に日本軍が真珠湾を奇襲したことを知りますが、本土の基地へ帰還することが出来なくなった彼らは、そのまま太平洋の戦場に飛び込んでいくのでした。

命令によりハワイを飛び立った後、長躯ウェーク島を経由しフィリピンで日本軍と激闘を繰り広げ、悲劇を乗り越えた後にオーストラリアに向けた海上を舞台に日本の機動部隊を発見、危険を冒して味方の航空隊を呼び寄せて日本艦隊を全滅に追い込みます。最後はTOKYO空襲の先陣を切るところで物語は終わりますが、基本的には西部劇(ウエスタン)的!?な手法の戦意高揚映画ですから、日本人としては不本意な感想も残るかも知れませんが、諸般の事情を考慮して許してあげてください。

 

以上で連載1回目を終わります。次回連載は、クラーク・ゲーブル主演の『戦略爆撃指令』(Command Decision/1948)を中心にお送りします。是非、ご期待ください!!

-終-

※連載第2回はこちらから ⇒ 【ミリタリー映画館】B-17が登場する映画 第2回、『コンバット・アメリカ』と 『戦略爆撃指令』〈18JKI15〉

※連載第3回はこちらから ⇒ 【ミリタリー映画館】B-17が登場する映画 第3回、『頭上の敵機』〈18JKI15〉

※連載第4回はこちらから ⇒ 【ミリタリー映画館】B-17が登場する映画 第4回、『戦う翼』と 『空爆特攻隊』〈18JKI15〉

※連載第5回はこちらから ⇒ 【ミリタリー映画館】B-17が登場する映画 第5回、『最後のミッション』と『メンフィス・ベル』〈18JKI15〉

※連載第6回はこちらから ⇒ 【ミリタリー映画館】B-17の登場する映画 第6回、『フライング・フォートレス』と『マイティ・エイス/第8空軍』〈18JKI15〉

 

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