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《kijidasu! ミニ》 牛の4つの胃 〈1647JKI35〉

牛66ダウンロード牛には人間などとは異なり、4つも胃があることはご存知だろう。前回の拙稿「カウマグネット」の話に関連して、改めて牛の胃について調べてみたので、《kijidasu! ミニ》としてご紹介することにした‥‥。

 

牛の胃は「複胃」と言い、第1から第4胃までの4つで構成されている。その内、第1から第3胃までは、一度食べた食物を留めたり反芻(はんすう)する為の機能が主であり、人間の胃と同じ様な消化吸収の役割を果たしているのは第4胃だ。

 

最も大きい胃(大人の牛だと100~120リットルもある)で、食道の先に最初にある「ミノ」と呼ばれる第1胃(ルーメン)は、食した植物の繊維質等を分解する役割がある。肉厚で白色に近い色で、切り開いた形体が蓑傘に似ていることから「ミノ」と言われている。

この第1胃には多くの微生物が共生しており、これらの微生物の作用によって、飼料として摂取した様々な草などを発酵・分解して、栄養素として利用できる形に変えているのだ。ちなみに人間は、食物中の繊維を5%程度しか消化出来ないが、牛の場合は50~80%程度は可能だとされる。

第1胃の表面は大小の柔毛(じゅうもう)が密生していて、表面積を大きくしている。これは栄養素を効率よく吸収する為だと言われている。またここで吸収され栄養素は「VFA(揮発性脂肪酸)」と呼ばれる。牛たちは、この「VFA」から糖や脂肪などの重要な栄養分を体内で生成しているので、第1胃の機能が低下すると大きな健康上の問題が起きる。

「ミノ」には独特の臭みがあり、下処理(水洗い)などをしないと食用とすることは難しい。味は淡白だが、非常に固い部位でもある。その為、調理するに当たり包丁等で切り込みを入れてあることも多い。代表的な料理には、焼肉や刺身などがある。

 

第1胃の先には第1胃の作用を助ける第2胃(蜂巣胃)があり、「ハチノス」と呼ばれる。この胃は、食した飼料などを食道まで押し戻すという役割がある。ます。内面が蜂の巣のようなヒダ状の形体をしているので、蜂巣胃と名付けられた。

第1胃の「ミノ」と同様、独特の臭みがあるので、食べるためには下処理が必要だ。料理する場合、臭いとともにその固さから主にボイルしたものを使う。中華料理やイタリア料理、そして日本料理でも幅広く使われる部位だ。

 

第2胃の奥には「センマイ」と呼ばれる第3胃(葉胃または葉状胃)があり、第4胃に入るものの量を調整する役割がある。また摂取した食物を磨り潰すような構造になっていて、水分や各種の栄養分を吸収するとともに、この時点でまだ大きな状態の食物を第1胃もしくは第2胃へと反芻する機能があるともされているが、詳しくは未だ解明されていない。

「センマイ」という名称は、内壁の葉のようなヒダが何枚も重なっている様子が語源となっている。

臭みの無さとコリコリとした食感とが特徴だが、調理にはこの部位も下処理が必要であり、やはり焼肉や刺身といった料理が中心。

第3胃までが前胃と呼ばれて、食道が変化したものとされている。その為、前胃では消化液の分泌は無い。

 

牛の第4胃(アボマズム)は「ギアラ」と言い、人間の消化器官と同様に胃液などの分泌があるが、牛の場合は、胃が一つしかない他の動物と比較して消化作用はあまり強くない。第4胃まで移動する間に多くの食物が既に細かく分解されており、強い消化作用が不要な為とされている。

赤みがかった色と程よい脂肪、濃厚な味わいが特徴の「ギアラ」。焼肉はもちろん、煮込み料理などでも多用されている。

「ギアラ」の語源にも諸説があるが、一説には終戦後に米軍基地で働いていた人が報酬の代わりにホルモンを受け取っていた為とする。所謂、「報酬=ギャラ」が訛って「ギアラ」になったというのだ。また第4胃は「アボミ」という別名もある。

 

筆者などは食い意地が張っているのか、根が残酷な性分なのだろうか、この4つの胃について、どうしても焼肉などで食べる時の部位として考えてしまう。動物愛護団体からは苦情を申し立てられそうだが、やっぱり、美味しそうだよね‥。

-終-

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