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【歴史ミステリー】 ジャンヌ・ダルク伝説の謎に迫る!! 後編 〈2316JKI40〉

尚、後のジャンヌ・ダルクの名誉回復裁判は、 ジャンヌの母親が原告として申し立てを行いピエールが添え書きをしています。ところがこの裁判の真の目的は、名誉回復以上に金目当てだったという考え方の研究者が多いようです。

ジャンヌが教会から破門された状態では、彼女の資産は凍結されており自由に引き出すことが叶わなかったのです。そこでなんとか復権を勝ち取り、残された親兄弟がその莫大な資産を相続しようと企てたという説が有力なのです。

現在では、この生存説に関して否定的な見解が圧倒的に多数です。初めジャンヌの家族、特に兄弟たちは彼女が生き延びたとすることで得することがあると考えていましたが、復権裁判に勝利したことで金銭的な問題も解決しました。そこでそれ以上、偽物をまつりあげる必要はなくなった訳です。そしてこの頃を境としてザルモアーズ夫人のたしかな消息も途絶えるのです。

問題は、家族以外の昔の戦友などの内でも、多くの人々がザルモアーズ夫人を、以前のジャンヌ・ダルクと同じ女性だと認めていることですが、これも何らかの損得勘定によるのだろう、というのが大方の見方なのです。

 

実はこの話にはまだ続きがあって、1929年に至りこのザルモワーズ家に連なるセルモワーズ家の子孫の一人が、先祖にまつわるこの故事の真偽を調べようとして、ザルモアーズ夫人とその夫の墓石がピュイニー教会の地下に埋まっているところまでは特定したそうです。その後、この調査は甥で本家筋のピエール・セルモワーズ氏へ引き継がれました。

そしてピエール氏は1968年に許可を得て、この教会の床下の墓石発掘調査を行い、遂には15世紀のザルモワーズ夫妻の墓を発見したのです。

しかしそれ以降の墓の詳細な発掘は、ナンシー司教からの強硬な中止要請により断念されたといいますが、何かこの中途半端なオチも、聖女ジャンヌ・ダルクに関わる真実を隠そうとするローマカトリック教会の巨大な隠蔽工作の結果の様にも思われます。

 

《幻視と精神疾患の関連について》

ジャンヌの、「神」の声を聴き「天使」の姿を見たという神秘体験に関しては、彼女が精神疾患に罹病し(一例として「偏則幻聴症状」を持つ強度のヒステリー疾患に陥っ)たことによる幻視であるとの考えも一部の学者にあるようですが、現代の歴史家たちの間では、彼女は心身ともに健全だったということで、ほぼ意見の一致を見ています。

それこそ彼女がオルレアン公ルイの娘であったことが本当であれば、祖母のフランス王シャルル5世の王妃ジャンヌ・ド・ブルボン以来の遺伝性疾患によるとみられる精神病を患っていた可能性は否定出来ません。叔父にあたるシャルル6世も発狂して亡くなっています。

しかしジャンヌが精神的に不調をきたしていた、例えば統合失調症などの症状を示す兆候は皆無でした。刑死の直前までその頭脳は明晰であり、復権裁判でも彼女が大変明敏であったことが数多く証言されています。

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