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よこすかスプリングフェスタ2016 見学記 〈1549/3TFU29〉

神奈川県横須賀市にある横須賀基地は米国海軍の第七艦隊が母港としている太平洋の重要基地である。普段は警戒厳重で近寄ることのできない場所だが、年に数回、一般公開されることもある。中でも例年3月に開催される「日米親善よこすかスプリングフェスタ」は多くの人でにぎわう一大イベントだ。今年は3月20日(日)に行われたので、筆者は初めて訪れてみた。

まず交通であるが、京浜急行の「横須賀中央」駅が最寄り駅である。基地公開時間は9時から16時であるが、筆者が駅を降りた時は8時50分。品川からの京浜急行の快速特急も立席も多く出ており
列車から吐き出された乗客は、下車すると会場に通じる道にぞろぞろと向かった。会場に近付いてくると、JRの駅を下車した客の列と合流し、人の波が大きくなった。そのうちに列は停まってしまった。入場ゲートで並ぶという噂は聞いていたので、ついにはじまったかという感じだった。

20160320_094400天気はどんよりとした空模様であったが、ときおり小雨が落ちてくるようになった。太陽が出ない為に、気温も低く、じっとしていると肌寒い。古いマンションの立ち並ぶエリアで。雨をよけるものも無く、大半の人は傘を用意していなかったので、一様に苦い顔だ。列はのろのろと動いては、ぴたりと止まるのを繰り返す。

「三笠公園」の看板が出て、建物の角を曲がった時に、視界に戦艦「三笠」の煙突とマストが見えた。建物の間に、あまりにもさりげなく見えたので列の中からも「おっ!」と声が上がる。

さらに列はのろのろと進んでは、停まりを繰り返す。車で来た客は、駐車場を探してウロウロしていた。「大宮」や「つくば」などの地方ナンバーの車が大半だ。

やっと、三笠公園の入口に到着。ここまで駅から45分かかった。基地の入口は、まだまだ見えてこない。

20160320_094528列は、戦艦「三笠」の前に広がる三笠公園の中を、くねくねとカラーコーンで仕切られた中を、延々と続いていた。「昨年より人が多いね」そんな声も聞こえる。はるか前方の対岸からは、会場の音響が風に乗って流れてくる。

バンドのベース音と、英語のアナウンスがすでに「外国」が近付いているように思えた。ところで、この列に並んでいても私は退屈することは無かった。日露戦争の栄光の旗艦の美しい姿をじっくり眺めることができたのだから。

時計の針は10時を指していた。もう1時間以上も並んだことになる。人の流れは、さきほどに比べると少しだけ早くなった。

そして公園のはずれに設けられたテントに続く、荷物検査の列が見えてきた。テントは5基しかなく、人の流れも入り乱れてスムースに流れない。今年の1月2日、一般参賀に訪れた時は、しっかり流れが誘導されていたのにと、思う。

やっとのこと、テントにたどりつくと鞄の中身と、ポケットの中の金属類に全て出すように言われる。身分証明書の提示を求められることがあると聞いていたので、運転免許証も手に持っていたが、その必要はなかった。そして荷物を受け取ると、誰もが安堵の表情を見せた。風景も、目の前には海が広がり、対岸からのバンド演奏がますまり大きく聞こえるようになった。肉を焼く匂いも海風に混じって漂ってくる。

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そして、ゲートに続く道を歩き、鉄条網の巻かれたフェンスの扉を抜ける。ついに、アメリカ軍の基地内に入ったのだ。ここまで駅から90分。長い長い道のりだった!

基地に入ると、すぐに「HELLO!」「コンニチハ!」と米兵やそのファミリーが明るい笑顔で迎えてくれる。嬉しい歓迎だ。行列の疲れも吹き飛んでしまいそうだ。

と、次の瞬間に、見たことのない光景を目にした。おびただしい数の「とび」である。まるでガラスかカモメのように、群れをなして飛んでいる。大型の猛禽類が大きな羽を広げて地上すれすれに降りてくる昼は、怖さを感じた。原因は、誰かがハンバーガーを落としたようで、それを奪い合って次々に舞い降りていたのだ。「鷲は舞い降りた」という戦争映画を知っているが、「鳶は多い降りた」は聞いた事も無い。近くにいたアメリカ兵もただ見ているしかないようだ。そこを抜けると、前方に「マクドナルド」が見えてきた。もちろんメニューは全て英語の表示、価格はアメリカ通貨で表示されている。
20160320_103554本来はドライブスルーの場所が、今日は「ウォークスルー」になっていた。日本人には珍しいので、写真を撮る人の姿も多い。

店の向かいにある広場では肉を焼くテントが立ち並び、大きなテントでは、バンドが演奏していた。

すでに多くの客がベンチで食べ物やカップに入ったビールを手にしながら、演奏に聞き入っていた。ああ、アメリカの雰囲気が漂っていると、気分も高揚してきた。

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「US NAVY」と書かれた消防車の前では、子供が制服を着せてもらい写真撮影。基地の高層住宅の大きさを見上げていると、基地内を走るカートの兵士と写真を取るカップル。平和な光景が繰り広げられていた。

この場所は、明治時代に日本初の「鎮守府」がおかれた場所。以来、日本海軍の重要な基地として歴史を見送ってきたのだ。戦後はアメリカ太平洋艦隊の基地として、世界最強といわれる第七艦隊の寄港地にもなっているのだ。その歴史の変遷と世界の重要拠点という状況を思うと、日米両国の人達が笑顔で交流している姿に平和の有り難さをつくづく感じてしまう。

20160320_104735広い道に沿って、猿島方向に戻ってみると、左手にボウリング場。右手にフードコートが並ぶ、テントの数も多くなり、そこかしこから美味しそうな匂いが漂う。人の数も多くなり、活気があふれてきた。時折晴れ間ものぞくようになり、気分が良い。先程と別のステージでは、先程と違うバンドメンバーでステッペン・ウルフの「Born to be wild」を演奏している。60年代アメリカを象徴するようなそのイントロがかかった時、気分は絶好調に達していた。

時刻は10時45分。11時から第7艦隊の有志バンドが劇場で演奏を行うとプログラムにあった。会場は映画館。外見は小さいが、少し懐かしくゆったりした館内。なんとも味わいのある、アメリカ映画に出てきそうな映画館だった。客席はすでに半分ほど座席が埋まっていた。ステージには星条旗と日の丸が貼られ、その前に楽器が並んでいた。

20160320_114638開演時間になると、立ち見客まで出て結構な人気だった。本当は勇壮なマーチングバンドを想像していたが、ボーカルと、ギター・ベース・キーボード・サックス・トランペット・ドラムスの7名構成だった。80年代ポップスを中心にした曲目で、マリンルックで演奏する姿に大いに観客も盛り上がった。

その後は、近くの屋台で念願のアメリカンフードを楽しんだ。どこも数十人がならぶ行列が出来ており、料理にたどりつくまでここでも30分以上は待つことになった。私は骨付き肉を網で豪快に焼く屋台で骨付きターキー(1250円)と、ピザの中でも一番人気のあった「Anthony」のミックスピザ(1700円)を頼んだ。飲み物は自由の女神がデザインされたバドワイザー。ベンチは満席。歩道や芝に腰をおろし、ピクニックのような姿の人もたくさんいた。

20160320_133551ピザも肉も、味がしっかりして、ウマイのだがとても食べ切れるサイズではなく、残りはお持ち帰り。しかし、ビニール袋や、ラップなどがない。そんなものは手に入らないだろうと思っていたら、なんと業務用のビッグサイズの食品ラップのロールがおいてあった。ありがたく使わせていただき、ずっしり重い食べ物を袋にしまい、今回の目玉でもある「艦船の公開」の会場を目指す。

ところが、道路に日本人のガードマンが立って「公開時間は終了しました」と言っている。残念そうに引き返す人々が多かった。14時前には、受付は終了してしまったらしい。今回はミサイル艦の公開だったという。残念だった。再び、屋台のある会場をのぞいて、15時ころ会場をあとにした。会場にあちこちでは、名残惜しそうに基地隊員と写真を撮る人々が多かった。

気さくでフレンドリーなアメリカの姿に触れることの出来た1日。次回もまた訪れてみたい。その時は、歩きやすい靴と食品パック、ポリ袋と食品ラップは忘れずに用意してきたい。

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