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【刑事ドラマ大全 -1】嘘と間違いだらけ・・・それでも大好き刑事ドラマ!! 〈22JKI35〉

逆に警察組織の編成に関しての適例は、フジテレビ系列の『ストロベリーナイト』だ。警視庁刑事部捜査一課の殺人犯捜査第10係(以前は実在)の姫川玲子警部補(配役は、竹内結子さん)が主人公。彼女は主任として姫川班(主任を含め5名)を率いている。10係の係長は高嶋政宏さん演じる今泉春男警部で、(現実の通り)現場の捜査には出かけない。捜査会議でもひな壇でちゃんと司会進行を務めている。

この10係には、姫川班とは別に日下守警部補(遠藤憲一さん)が主任として率いる日下班(主任を含め5~6名)が存在。ドラマの中では合同で帳場に投入されることもあれば別個に捜査に当たる場合もあり、いたって正常な組織のようで、現実の警視庁捜査一課の殺人犯捜査係の体制を比較的正しく模しているが、これも原作(誉田哲也さん)の力だろうか・・・。

しかし多くの刑事ドラマ(並びに警察小説)では「班」という編成が「係」と混同(班=係と考えられている)されている様だ。現実の捜査一課の各係や所轄の刑事課/強行犯捜査課などにおいて、実際に班編成での運用がどの様に為されているかについては残念ながら筆者は的確な知識を持たないが、この『ストロベリーナイト』でも班編成に関する(たぶん)間違いが堂々と描かれているのではなかろうか。

それは、主任=班長となっていることであり、そこが現実との相違点(捜一の各係には主任の警部補が4~6名ほどおり、主任=班長では1個係の中に班が4~6班も存在することになる。課全体で170~180名の主任=警部補がおり、部長刑事=巡査部長よりも多いとされる)である。そして警視庁捜査一課の係は、原則として1個係10数名のまとまりで捜査に投入されることがほとんど(係内が複数の班に分かれていたり、別個に行動することはないようだ)の様だが、当然ながら、大きな重大事件の場合、複数の係が重複して派遣されることは多い。

殺人事件等の重大事件が発生した場合、通常は捜査本部(帳場)に投入された捜一の刑事たちは捜査本部の置かれた所轄署の刑事や機動捜査隊の捜査員などとペア(例外的に3人組もある)を組み、現場の捜査に臨むのだが、『警視庁捜査一課9係』では9係の刑事たちだけで捜査が進められる。事件発生後、いきなり犯行現場に主人公たち(レギュラーメンバー全員)が急行、その後に帳場も立たない。むちゃくちゃである。(但し、このパターンの刑事ドラマは数多いが‥‥)

実際には、捜査一課の刑事たちは、事件発生の一報とともに直ちに捜査を開始はしない!!のだ。通信指令本部からの連絡で、最初に動くのは所轄署の刑事課と機動捜査隊である。特に、24時間体制で捜査車両(覆面パトカー)で移動している機捜の隊員と、所轄の刑事課員などの初動捜査では犯人逮捕が難しいとなってから、捜一幹部が捜査本部(帳場)を開設する必要を認めてはじめて登場するのが、捜査一課の刑事たちである。

しかし現実には、「犯人が逃走直後」だとか「有力な容疑者がいて直ちに逮捕したい」といった場合を除く、それほど切迫していない事件(犯行が過去に遡る場合の多く)では、捜査一課の刑事たちは事件判明後の翌朝等の集合となる場合が多いという。

また実際に殺人等の犯行現場に一番乗りするのは、所轄署の地域警察官であることが多い。その後間も無くして、所轄署の刑事課員や機動捜査隊、そして鑑識課員らが到着する。

機動捜査隊は、通常は捜査車両(主に覆面パトカー)に2名で乗車しながら担当管轄内の密行警邏(パトロール)を行うが、重大事件が発生した場合は犯罪現場に急行して事件の初動捜査を担当することになる。しかし短時間で被疑者が確保されずに事件が長期化する場合は、後続の担当部署に捜査任務を引き継いで本来の密行警邏に戻る。

TBSの『警視庁機動捜査隊216』の主演は沢口靖子さん。彼女は第二機動捜査隊(二機捜・ニキソー)目黒分駐所第一班班長の主任、沢村舞子警部補を演じている。このドラマは機捜の役割を比較的忠実に描いており、地味だが好感が持てるストーリーとなっている。

他の機動捜査隊に所属した主人公を描く刑事ドラマには、2016年に放送されたテレビ東京系『乃南アサ サスペンス  鎖  女刑事 音無貴子』がある。このドラマは、本格ミステリー作家の乃南アサさんが原作者で、直木賞受賞作の人気作品『凍える牙』の続編である『鎖』のTVドラマ化だが、機捜の活動を描くと云うよりも、主人公である音無貴子の個人的な捜査に焦点が当てられている。主役の機捜隊員・音無貴子は小池栄子さんが演じたが、小池さんの演技はTBS系『捜査指揮官 水城さや』シリーズ(続編で後述)での沈着冷静な管理官役などよりも、こちらの単車/オートバイで(単独)密行警邏に当たる機捜隊員の方がお似合いだ。

またちなみに『凍える牙』は、天海祐希さんが主役の音無貴子を演じて2001年にNHKで放送されている。更に2010年には木村佳乃さんの主演で『女刑事・音道貴子~凍える牙』というタイトルでテレビ朝日系でも放送された。

また、かつてNET(現テレビ朝日)に『特別機動捜査隊』という刑事ドラマがあった。通常の犯罪捜査を追った刑事ドラマであったが、実際に初動捜査を担当する機動捜査隊が設置されるきっかけとなった伝説の長寿番組であった。ちなみにこのシリーズの後続枠が『特捜最前線』であるが、こちらの内容は省略する。

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2 thoughts on “【刑事ドラマ大全 -1】嘘と間違いだらけ・・・それでも大好き刑事ドラマ!! 〈22JKI35〉”

  1. ニコラス刑事 says:

    「未解決の女」と「捜査一課長」のコラボの件、「未解決の女」の初回放送を見逃していたので、再放送を観るまでいまいち繋がりが解らなかった。要するに、どちらも同じ捜査一課が舞台なんだという設定な訳ね。

    1. 所轄の娘 says:

      でも、これって凄く面白いことかも。大岩課長繋がりでどんどん番組の輪を広げたらどうでしょうか?別の刑事ドラマでも、同じ捜査一課に属する警官を主人公(例えば鑑識とかSITとか)にしちゃうとか。内藤さん経由で波留ちゃんともコラボ。『科捜研の女』みたいに内藤さんが別の役で既に出ているのはムリだけど、オリジナル新作ならばOKと思います。木曜日以外でも、ガンガンにクロスオーバーさせちゃう。

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