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【アメリカ選挙事情】 スーパーPACという名の怪物!? 〈1254JKI24〉

本戦に向けたトランプ氏の戦術変更

「ロビイストや大口の資金提供者に頼らず、選挙を自力で切り盛りしている」ことを訴求ポイントとしているトランプ氏は、これまでの選挙資金の70%以上を自費で賄ったとされています。

このようにスーパーPACとは相反する立場をとってきたトランプ氏ですが、最近になって本選挙ではスーパーPACの存在を受け入れるかのような発言もしており、今後は見解を変更するかも知れません。

秋の本選挙での民主党の大統領候補(たぶん、ヒラリー・クリントン女史)との激しい選挙戦を視野に入れることで、彼のスーパーPACに関する考え方が変化する可能性もあるようです。つまり本戦では、さすがの大富豪であるトランプ氏でさえ、スーパーPACの支援なしでは(ガンガンとスーパーPACを活用する)競合候補には敵わない、との判断が働くと思われるからです。

現実に、トランプ氏支持のスーパーPACである「Make America Great Again」は、最近までは献金の受入額がゼロだった様ですが、つい先日には170万ドルほどの献金があったと発表しています。これは保守派の政治活動に多額の献金をしてきたことで知られるダグ・マンチェスター氏(不動産開発業者でマンチェスター・フィナンシャル・グループ会長)や、ニュージャージー州のトランプ・プラザの建設を請け負ったAJD建設会社などからの寄付によると報じられています。

また、最近になって上記のスーパーPAC「Make America Great Again」は、共和党の選挙ストラテジストであるジェシー・ベントン氏やエリック・ビーチ氏といった面々を雇い入れたと伝わり、これが本選挙でのスーパーPACの本格運用の為の人材強化ではないかとの憶測になっているのです。

従来までは、トランプ氏に対して数多くの共和党系のメガ・ドナーたちは距離をとっていましたが、いよいよ共和党の大統領候補となる状況に接して、また彼のスーパーPACやメガ・ドナーに対する言動の変化を受けて態度を変える人々が出てこようとしています。

コーク兄弟のように、当初支持していた候補者(スコット・ウォーカー氏)の撤退後の予備選挙においては特定の候補者への肩入れを表明せずに情勢を静観している者もいますが、しかしトランプ氏が共和党内で優位となる情勢を見て、「トランプとヒラリーの対決になればトランプに多額の選挙資金を提供する」と表明したスタン・ハバード氏(ハバード・ブロードキャスティング社の創設者)や同様の見解を述べたブーン・ピケンス氏(ヘッジ・ファンドBPキャピタル社の経営者)、ダン・エバーハート氏(エネルギー開発会社キャナリー社の重役)などのメガ・ドナーも出てきました。

いずれにせよ、今後はトランプ氏とスーパーPACやメガ・ドナーたちとの関係性がどの様なものに変化するかは、予断を許さない状況になりそうです・・・。

 

スーパーPACの今後

修正第2条(人民の武装権)と全米ライフル協会の存在も、日本人にはどうもピンときませんが、このスーパーPACの存在を許す修正第1条の解釈もたいそう不可解に思えます。この解釈はまるで「金(カネ)の力は言論の力に等しい」という考え方を法制化したものとも考えられ、これは合衆国最高裁が、大金持ちの個人や組織・団体が少ない資金で選挙を戦っている対立候補者を金(カネ)の力で捻り潰してしまうことを許したとも云えるのです。こうして、殊更に合衆国の最近の選挙は「マネーゲーム」の様相を濃くしてきたのでした。

私たちの感覚では、一部の大富豪の献金が選挙結果を左右できるスーパーPACの存在が、民主政治にもたらす弊害は大きいと言わざるを得ません。スーパーPACは金(カネ)の力をいやというほどに発揮しています。最近では、「金(カネ)の力を言論の自由と等価に見ることは、民主主義を堕落させつつあるのではなかろうか・・・?」とも言われているのです。

さりとて、現状の選挙戦ではスーパーPACの持つ資金力は侮れません。要は、その力の使い方であり、誰もが正しいと思う様な公平で公正な選挙活動に資金が活用されれば良いのですが・・・。

 

今後も、スーパーPACの存在は続くのでしょうか? それとも否定される方向性に向くのでしょうか? またはその性格の一部が変わり存続していくのでしょうか。

今回の大統領選挙の候補者の中でも特異な政策と暴言が目立つトランプ氏ですが、これまでに費やした選挙費用は他の候補者に比べて格段に少ない(1/3以下とか1/10など)と言われていますし、スーパーPAC否定派のトランプ氏の快進撃やサンダース氏の善戦で、早くもアメリカ政界では「今後、ビッグ・マネーがモノをいう選挙戦が終焉に向かいつつある証拠ではないか」との見解も提示されているとのことでした・・・。へぇ~、そうなんだ!!

-終-

【続報】「単なる泡沫候補」のひとりのハズだったトランプ氏があれよあれよという間に大統領になってしまい、スーパーPACの話題など消し飛んでしまいましたね~。今後の世界の行末の方が、よほど気になりますよね!!

 

 

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