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【刑事ドラマ大全 -4】嘘と間違いだらけ・・・それでも大好き刑事ドラマ!! 〈22JKI35〉

最後に「嘘と間違い」の指摘からは離れるが、この【刑事ドラマ大全】の第三回目までに紹介していないが、個人的な好みで高く評価している刑事ドラマを紹介すると・・・。

少し前の作品だが、フジテレビの『沙粧妙子 -最後の事件-』には今でも人気があるようだ。猟奇殺人犯を追う警視庁刑事部捜査第1課の女性刑事、沙粧妙子警部補(浅野温子さん)を描く。全体のトーンがオカルト風で、人間の「悪意」や「影」の部分を主題としたダークなストーリーが展開された。また柳葉敏郎さんや佐野史郎さんといった出演者に加えて、犯人役やチョイ役で反町隆史さんや香取慎吾さん、広末涼子さんに柏原崇さん、そして飯島直子さんなど、後ほど人気者となったタレントが多数出演している。続編『沙粧妙子 -帰還の挨拶-』には高橋克典さんやブレイク前の中谷美紀さんなども登場。今から思い返すと、とにかくキャストが凄いドラマだった。

他の秀逸な刑事ドラマとしては、WOWOWの『マークスの山』『レディ・ジョーカー』がある。上川隆也さんが演じる合田雄一郎警部補(警視庁捜査一課7係主任、後に大森警察署刑事課強行犯捜査係長)の捜査活動を描く。原作は高村薫さんの傑作ミステリ小説で、『マークスの山』では南アルプスで起こった親子心中事件で生き残った少年が成長した後に精神に異変を来して連続殺人を起こすストーリーを描き、『レディ・ジョーカー』は営利誘拐事件にその被害者となったビール会社の利益供与事件が絡む複雑な構成の犯罪物語である。

同じWOWOWが東海テレビと共同制作した『犯罪症候群』は貫井徳郎さんの『症候群シリーズ』を原作とした刑事ドラマで、Season1は『失踪症候群』・『誘拐症候群』を、そしてSeason2は『殺人症候群』をドラマ化している。Season1の主役は元刑事の武藤隆(玉山鉄二さん)、Season2の主役は警視庁捜査一課の刑事・鏑木護(谷原章介さん)である。また渡部篤郎さんが、陰で武藤を操る謎の人物である警視庁警務部人事二課所属の環敬吾(特殊任務チームの指揮官)を怪演。主人公たちに関しては原作よりも現実味を持たせた設定に変更されているが、原作以上にエキセントリックな渡部篤郎さんの独特の演技は評価の分かれるところ。但し、失踪人や誘拐犯罪を追いかけるSeason1全体を通してのダークなトーンは悪くはなかった。

更に、NHKの『64(ロクヨン)』はピエール瀧さん主演。県警本部警務部秘書課調査官(広報官)である三上義信警視の奮闘を描くサスペンス・スリラー作品。TBS系の『陰の季節』主人公の二渡警視が、このNHK版にも(演じるのは吉田栄作さんだが)登場する。原作は既述の通り横山秀夫さんのD県警察本部シリーズ。また2016年4月には、佐藤浩市さん主演で2部作の映画が公開された。

『氷の轍』はテレビ朝日系2時間ドラマ。桜木紫乃さんのサスペンス小説が原作で、柴咲コウさん演じる北海道警釧路中央本部の刑事課強行犯係・巡査長である大門真由と先輩刑事で警部補の片桐周平(沢村一樹さん)の捜査活動を描く。警察組織やその捜査内容に関して大きな破綻や誤謬もなく、全体に渋めの人間ドラマで好感が持てた。

2016年に放送されたNHKの『クロスロード』(2017年には舞台を別の警察署に移した『クロスロード2』が放映)は、舘ひろしさんが演じる青梅中央署の警務課に勤務する元捜一刑事の尾関辰郎警部補が主人公。西村雅彦さん演じる本庁の管理官に妨害されながらも、難事件の真相を追う。抑えた演出で舘さんの演技が光る好篇、共演の新聞記者役の神田正輝さんも渋い。

 

そして更に最後の最後だが、筆者の大好きな堤幸彦監督作品で、とんでもなく荒唐無稽なTBS系列の『ケイゾク』『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』に関しては、断腸の想いで省略させて頂く・・・(笑)。

 

取り敢えず、以上で【刑事ドラマ大全】の連載を終える。内容に関しては原則として実際に視聴した作品に限っている為、洩れているドラマも多いと思う。そこで今後は随時、追加や修正を加えていきたい。また紹介した番組の放送時期を調査して加筆の予定である。

また、本連載記事の各所で指摘した刑事ドラマに関する警察の組織や階級、役割などに関しては、時間を経て変更や改正が実施されて、本記事における記載との間で相違が生じる場合もあろうかと思う。極力、訂正等に務めるが、異なった形・表記が継続している場合については、是非ともご容赦願いたい。また階級と職務の関連性などについても、あくまでも原則論をもとに(個人的な見解に立ち)主張していることから、現実の警察組織での例外的な事実を反映していないこともあるが、これらも理解を賜りたい点である。

さて今後、海外の刑事・警察ドラマの紹介にもチャレンジしたい気持ちもあるが、参考となる資料等の集まり方次第の様な気がしている・・・。それでは読者諸氏、またの機会にお会いしよう!!

-終-

【刑事ドラマ大全 -1】・・・はこちらから

【刑事ドラマ大全 -2】・・・はこちらから

【刑事ドラマ大全 -3】・・・はこちらから

警視庁、創立140周年。その実態は?・・・はこちらから

 

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2 thoughts on “【刑事ドラマ大全 -4】嘘と間違いだらけ・・・それでも大好き刑事ドラマ!! 〈22JKI35〉”

  1. 春田啓郎 says:

    木村様
    いつもながらの博識に感嘆いたします。私は滅多にテレビは見ないので殆ど原作の本で読んだものが多いです。双葉社の小説推理を50年以上愛読しているのでそれが起源となった「症候群シリーズ」「越境捜査シリーズ」は物語としては知っています。
    貴殿は私とほぼ同年齢だと思われますが、1960年くらいから始まった「特別機動捜査隊」は格別のファンでした。BSの東映チャンネルで再放送していますが、まもなく終わりです(未契約)1961年からの「JNR公安36号」後の「鉄道公安36号」にもいろいろ教えられました。どちらもNFTでYOUTUBEで主題歌など聞くことができます。これからも発表を楽しみにしています。

    1. 諸子 百家 says:

      コメント、有難う御座います!今後ともお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。《Brigadier★General》

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