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【世界の特殊部隊】 フランス:国家憲兵隊 治安介入部隊:GIGN 〈1186/3JKI35〉

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GIGN隊員たち

世界各国の特殊部隊に関する記事を準備していたところ、ネット上で下記の様な記事が配信されていたので、先ずはそれから紹介しよう…。

『フランス軍精鋭部隊、マクドナルド強盗を取り押さえる』

6月7日付けのAFP伝によると、マクドナルドに押し入った武装強盗2人が、偶然居合わせた非番の特殊部隊GIGNに舜殺で逮捕されたとのこと。まるでテレビドラマのような話だ。

『 Ils braquent un McDonald’s…mais tombent sur le GIGN en civil

事件は6月5日の午後、フランス東部のブザンソン(Besancon)のエコール-バランタン(Ecole-Valentin)のファストフード店マクドナルド(McDonald’s)に、2人の男が強盗に入ったところ、そこで食事中の特殊部隊の兵士たちに瞬く間に「御用」にされた、ということだ。

この間抜けな強盗、「飛んで火にいる夏の虫」といったところだが、最初、散弾銃を所持した1人が威嚇射撃を行い、もう1人が現金を盗み出そうとレジに向かった。しかし犯人が金を手に入れた途端、この場に居合わせたフランス国家憲兵隊の特殊部隊(以下、GIGN)に取り抑えられてしまう。

この時、この店で食事をしていた約40人の客の中に11人のGIGN隊員がおり、彼らは人質事件や対テロ任務に従事する精鋭の兵士たちだったが、非番の彼らは当初、他の客たちを危険に晒さぬ様に互いに意志疎通し合いながら、犯人らが金を盗み終えるまで介入する機会を待っていたという。

犯人の一人は、現金約2,000ユーロ(約24万円)を奪って逃走しようとしたところを取り押さえられ、もう一人は兵士の一人に銃を奪われた上で腹部を撃たれて、身柄を拘束されたという。⇒ 続報によると、犯人は二人とも出口付近やドアの外側で逮捕され、負傷者は私服で銃を携帯していた隊員に威嚇射撃の後に腹部を撃たれたとのこと。

こうして現在は入院している犯人たちは、武装強盗および暴行の罪で今後、裁判にかけられることになる。

そしてこの捕り物からは、強盗に入る前には中の様子をよく下見する必要がある、という(犯人にとっての)教訓が得られるなぁ…。妙~に屈強な若者が多数いたら、止めといた方がいいでしょ、やっぱり(笑)。

 

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GIGN隊員たち

さて、この記事に登場した特殊部隊員たちは、フランス国家憲兵隊 治安介入部隊(Groupe d’intervention de la gendarmerie nationale、略称はGIGN)の所属で、彼らGIGNはフランス国家憲兵隊の特殊部隊のことだ。

1972年9月、当時の西ドイツで発生したミュンヘン・オリンピック事件や、1973年9月にパリで発生したパレスチナ・ゲリラによるサウジアラビア大使館占拠事件を契機に、1974年3月1日、フランスで組織された人質救出作戦や対テロ作戦を担当する特殊部隊である。

このGIGNは、人質救出や対テロ作戦を主に扱う部隊であり、一般の国家憲兵隊の扱う事案の中で、通常の県憲兵隊や機動憲兵隊などでは対応が困難な凶悪犯やテロリストに対応する。フランスの警察制度では、都市部は国家警察が担当しており、GIGNを含む国家憲兵隊はそれ以外の地域で発生した事件・事故を管轄している。

また空港や原子力発電所等の警備も国家憲兵隊の担当であることから、ハイジャックや核施設に対するテロリストへの対応も彼らの任務となるのだ。

更に、原則として国内に活動領域が限定される国家警察よりも広い地域、例えばフランスの海外領土などの国外地域も国家憲兵隊の活動対象である。

GIGNは1974年の編成当初は、メゾン=アルフォールで編成されたGIGN-1とモン=ド=マルサンに編成されたGIGN-4の二隊に別れていたが、1976年にメゾン=アルフォールにおいて一隊に統合された。その後、1982年にはヴェルサイユに移駐し、1984年に空挺介入中隊(EPIGN)が設置されると、これとGIGNを統合指揮する上部機関として特殊安全対策群(GSIGN)が設置されたが、2007年以降、国家憲兵総局(DGGN)の直率となっている。

現在の組織は、作戦参謀部(EMOPS)、管理支援部(EMAS)、そして実力部隊の介入部隊(FI)から成る。そしてこのFIがGIGNの主力部隊であり、4個隊で編成されており、2個隊は落下傘降下、2個隊は潜水の訓練を受けている。週毎の当番制であり、常に即応体制を維持している。人員は81名。

他には監視捜査部隊(FOR)、保安警護部隊(FSP)や作戦支援部隊(FAO)、またGSPR分遣隊などがある。

隊員の選抜は志願制となっており、一般の国家憲兵隊で5年以上の勤務経験を持ち、かつ勤務実績が優等なものが対象。そして選抜試験は極めて厳しく、合格率は平均で7%程度と云われている。

GIGN隊員の特徴としては、その射撃能力の優秀さがある。欧州各国の特殊部隊の中でも特に秀でていることは有名で、他国からの訓練生も多いとされる。また隊員全員が高度な狙撃訓練を受けており、極めて高い精密射撃のスキルを有することから、専任狙撃手(スナイパー)が置かれていないのだ。

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マニューリンMR73回転式拳銃を構える隊員

またGIGNの装備としては、マニューリンMR73回転式拳銃が有名。リボルバー型の為に装弾数は少ないが射撃精度が高く、通常の狙撃用ライフルには適さない近距離狙撃用として使用されている。尚、銃身を伸ばして二脚を装着した改造モデルもある。

短機関銃としてはH&KのMP5の他に、FN-P90やH&K-MP7が装備されている。更に自動小銃としては国家憲兵隊の標準装備のFA-MAS以外にも、H&K-G36CやH&K-HK416等も装備されている。

 

今回は、いみじくも間抜けな強盗二人のおかげでフランスのGIGNに触れたが、次回以降は他国の特殊部隊を順次紹介していこうと思う…。乞うご期待だ!!

-終-

 

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