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【OIC-8】 覚えたら便利な業界用語・・・靴業界編 – 3〈は/ハ行の言葉〉 〈1647JKI24〉

靴業界編の続編として、は/ハ行の言葉を紹介します。

⇒ 靴業界編 – 1〈あ/ア行~か/カ行の言葉〉

⇒ 靴業界編 – 2〈さ/サ行~な/ナ行の言葉〉

⇒ 靴業界編 – 4〈ま/マ行~わ/ワ行の言葉〉

 

【は/ハ行】

バー

バー(bar)とは、足のトラブルの矯正やトラブルに伴う負担を軽減するなどの目的で、靴に装着して用いるパーツのことです。「メタターサル・バー」や「ロッカー・バー」など、目的に応じて形や厚さ等が異なり、様々な種類が用意されています。 但し英国では、「ストラップ」のことを指す場合がるので注意を要します。

ハイ・アーチ

ハイ・アーチ(high arch)とは、通常より高いアーチのことを指しますが、具体的に高さが規定されている訳ではなく相対的な比較で用いられます。

ハイカット

ハイカット(high-cut)とは、履口が高いことを意味しており、通常は踝位まである深いカットのシューズを指します。

ハイキング・ブーツ

ハイキング・ブーツ(hiking boots)とは、ハイキング用のブーツを指し、一般的にアンクル丈のレースアップ型で防滑性の高いソールが装着されていて軽量であることが特徴です。

ハイ・タン

ハイ・タン(high tongue)とは、タン(舌革)が高くせり上がったスタイルの靴のことです。

ハイド

ハイド(hide)とは、通常は鞣し処理を施していない皮のことで、特に成牛(含む水牛)や馬などの大型動物を鞣す前の生皮で重さが25~30ポンド以上のものを指します。ちなみに子牛や山羊などの小型動物で重量15ポンド以下のものは「スキン」、両者の中間のものは「ヴィール」とか「キップ(スキン)」と呼ばれます。尚、鞣し処理後は皮から革へと表現が変わり、「レザー」と呼ばれます。

ハイ・ヒール

ハイ・ヒール(high heel)とは、婦人靴で使用される6~9cm位の高めのヒールのことであり、またその靴自体もこう呼びます。

パイピング

パイピング(piping)とは、裁断した布や革の端や繋ぎ目を処理する方法の一つです。靴の製作では、アッパー(甲革)におけるパーツ類の繋ぎ目処理に使用され、繋ぎ合わせるパーツとパーツの間に細長いテープ状の革や布を折り込み、糊で接合して縫い合わせますが、その仕上がりは繋ぎ目に細いパイプが通っている様な外観になります。

ハイ・プラット

ハイ・プラット(high plat)とは、カリフォルニア・プラット製法でつくられたヒールの高い靴のことを指します。

ハイライザー

ハイライザー(high-riser)とは、トップラインが高い短靴のことを指します。

バインダー仕上げ

バインダー(binder finish)仕上げとは、靴の仕上げ方法の中の仕上げ剤による分類の一つです。最近では最も一般的な仕上げ方であり、着色剤と合成樹脂などを接着させて仕上げる方法です。染料や顔料の着色剤と熱可塑性のポリマー(アクリル系やブタジエン系、またはポリウレタン系)をバインダー(接着剤)として使用することで塗膜の耐久性が高くなり均一に綺麗に仕上がりますが、どちらかと云うと革本来の風味がやや失われがち、ともされています。

パウンディング

パウンディング(pounding)とは、釣り込んだアッパー(甲革)の表面を叩くことで、細かい皺を取って靴型に馴染ませる行為のことです。

馬革

馬革(horse leather)は「ばかく」と発音し、馬皮を鞣した革のことです。牛革よりも柔らかく銀面が滑らかなことから、靴の裏革や甲革、中敷などに使用されます。特に尻の部分は組織が緻密な為に光沢が美しく、また硬くて丈夫なことから貴重品とされていて、これを「コードバン(cordovan)」と呼んで珍重しています。

箔押し

箔押しの「箔」とは、金・銀を薄く延ばしたもので、それをプレスすることによって付着させて革や布などに模様や文字を押印することを言います。革の表面をデザインする手法の一つであり、靴の中敷に商標をプリントする時にもよく使用されます。

バジル

バジル(basil)とは、植物鞣しの洋革で、染色をせずに裏革用として用いるものでしたが、現在ではほとんど使用されていません。

パターン

パターン(pattern)とは、通常は靴を作る際に用いる型紙のことですが、鞣す前の原皮の表面の様子や天然の「シボ」(表面に縮緬状に細かく寄った不規則なシワ模様のこと)、また仕上げ後の型押し並びに染めの柄などによる表面の模様のこともこう言いいます。

爬虫類革

ワニ(鰐)やヘビ(蛇)などの爬虫類の革のことを総称して「エキゾチックレザー」とか「レアレザー」と呼びます。好き嫌いの分かれる素材ではありますが、このタイプの革に興味・関心のある方には堪らない魅力に溢れるものです。

またこれらは革製品としては高級皮革として人気があり、その代表例としては「ワニ革(クロコダイルなど)」や「大ヘビ革(パイソンなど)」、そして「トカゲ革(リザードなど)」などが挙げられます。爬虫類独特の縞模様や皺などの風合いが貴重とされ、高級皮革として扱われています。

また他に革製品に使われるものとしては、非常に貴重な「カメ(亀)革」や適切な処理を施すと柔らかな手触りとなる「サメ(鮫)革」などがあり、意外なところでは高価な財布などに用いられる「カエル(蛙)革」などもあります。その多くは表面をガラスコーティング等の加工がしてありますが、稀に素材のままの状態のものもあります。

特にワニ革は爬虫類皮革の代表格であり、独特の凹凸のある模様が特徴ですが、その中でも「クロコダイル」が最上級とされています。この凹凸はワニの鱗片によるものであり、殊に鱗片の数が多くて配列が美しい物が貴重品であるとされています。但し現在では天然物は少なく、ほとんどが養殖鰐から獲られた革が使用されています。これらのワニ革には、大きく「クロコダイル」、「アリゲーター」、「ガビアル」の3種類があります。

こうした爬虫類由来の革は、独特の模様などで高い人気を誇っていますが、ウロコ系の革製品はその風合いを大事にする為に、敢えて念入りには加工が施されていないことが多いので、注意して手入れを行うことをおススメします。

パッカブル

パッカブル(packable)とは、丸めたり畳んだりして、スーツ・ケース等に入れて持ち運びの可能なスリッパや室内履きのことです。

パック

パック(pac, pack)とは、樵や漁師が履くブーツのことで、アッパー(甲革)はモカシンになっていることが多い様です。

バック・シーム

バック・シーム(back seam)とは、靴の踵部分の後部中央に見られる縫い目、後部縫い割りのことです。

バック・スキン

バック・スキン(buck skin)とは、起毛皮革の中の一つで、より正確には牡鹿の革の銀面が削り取られて起毛された革のことであり、この場合のバックとは裏側(back)の意ではなく、「牡鹿」を指します。欧米では鹿の床革からつくられた革を「スプリット・バックスキン」(split buckskin)と言い、本来は牛革や山羊革を材料としたバックスキン(buck skin)は存在しません。但し現在の我国では、牛革その他で革の表・裏とは無関係に、鹿革と同様の方法で処理・仕上げたものであればバックスキン(back skin)、つまり“裏革”(下記の「スエード」などと同等の革の総称)と呼ばれるのが通例となっている様ですが、この用語は日本における完全な造語です。

起毛皮革には他に、「スエード」(牛革・山羊革・羊皮などの裏面を起毛したもの)や「ヌバック」(牛革や山羊革・羊皮の銀面/表面を擦ってベルベット状に起毛したもの)等があり、更に「ベロア」(スエードより毛足を長くしたもの)などがあります。

尚、最近では、本物の鹿皮から造るバックスキンは極めて少なくなっている様で、他の動物の皮革を素材としたものが多数を占めているとされます。

バックパート

バックパート(backpart)とは、靴型や靴において、ボール・ガースからヒール・カーブまでの後部のことを指します。

バックル

バックル(buckle)とは、靴を足に固定するためのベルトに使用される、金属やプラスチック製の留め具(締め具)のことで、「美錠」や「尾錠」とも呼ばれます。またバックルという用語は、靴の他にもバッグや腕時計、そして腰巻のベルトなど、ベルトが付いた様々なファッションアイテムに用いられますが、靴の場合はほぼストラップの留め具を指すことが多い様です。尚、本来の役割はストラップの留め具であり、あくまで機能具でしたが、デザイン上の装飾具として取り付けられる場合も多々見受けられます。

撥水加工

撥水加工は、水分が革の表面についた時に水滴としてはじかれることを目的とした革表面の加工処理のことです。加工剤としては主にワックスやシリコン化合物、またはフッ素化合物等が使用されます。

ハットピン・ヒール

ハットピン・ヒール(hatpin heel)の「ハットピン」とは、婦人用の帽子の留めピンのことで、そのピンのように細いヒールをハットピン・ヒールと言います。また、「ニードル・ヒール」の別名でもありあます。

ばつ縫い

ばつ縫いとは、アッパー(甲革)の縫製方法の一つで、縫い合わせる二つの部分のエッジ同士を合わせて、そこを縫い目が✕状になる様に縫っていく方法のことです。

パティーヌ

パティーヌ(patine)とは、フランス語で「古色」・「緑青」という意味ですが、靴業界ではフランスの高級靴ブランド「ベルルッティ(Berluti)」のアッパー(甲革)のフィニッシングの特殊技法としてよく知られています。ムラ染めの様な独特の色づけ技法で様々なエッセンシャル・オイルを組み合わせ行うとされていますが、深みのあるアンティーク系の仕上げが特徴です。

パテント・レザー

パテント・レザー(patent leather)とは、強い光沢仕上げをした革のことです。亜麻仁油などで何回も革の表面をコーティングした後、直射日光または赤外線で乾燥させます。現在はウレタン糸やエナメル塗料で仕上げることから、「エナメル革」とも呼ばれます。またこの光沢仕上げは、自然の革だけではなく合成物/人工皮革にも用いられています。

ハート・サイズ

ハートサイズ(heart sizes)とは、ある種の靴の中で、よく売れるサイズの範囲。例えば、婦人靴の場合“22”から“23”までが売れ筋サイズです。

ハート・シューズ

ハート・シューズ(heart shoes)とは、トップラインやヒール等の何れかの部位にハート型のカーブを持たせたり、あるいは本底面にハート型のモチーフをプリントした靴を指します。

ハトメ

ハトメとは、靴紐を通す穴に付ける金属やプラスチックなどの環のことを指し、「鳩目」・「アイレット(eyelet)」とも呼ばれます。ハトメの形状・付け方には様々なタイプがあり、外から環が見える形で取り付ける「表ハトメ」と、裏側に取り付けて表から見えない様にする「裏ハトメ」や「隠しハトメ」等があります。紐を通す為の穴を補強し、革や布など素材の傷みを減らす役割がある為、バッグや衣料など、靴以外でも多く使用されています。ちなみに実際の機能面の為だけではなく、装飾の目的でも用いられます。

パトン

パトン(patten)とは、泥道用の履物として革などの紐が取りつけられた木製の底に、鉄製の金具や木製の高い下駄歯の様なものをつけた主に東洋諸国で履かれる履物のこと、もしくは同様に泥道や水溜まりの多い場所を歩く場合に靴に取り付ける木製靴底を指し、謂わば「西洋足駄(せいようあしだ)」(足駄は下駄の前身)とも云うべきもので、靴の上に履いて使用した一種の「オーバー・シューズ」を指します。また最近では、「クロッグサンダル」や一般の室内履きのこともこう呼ぶ場合がある様です。

バニシング仕上げ

バニシング仕上げ(burnishing finish)とは、靴の仕上げ方法の一つで、革の表面を綿バフの摩擦熱で少し焦がしたように仕上げる方法のことです。通常のバインダーや顔料等の仕上げでは焦がし効果が発揮出来ず、タンパク質系仕上げ剤やワックス、顔料、染料等を用いて仕上げます。尚、その効果はワイルドな外観・風味を表現可能なことにあるとされています。

ハーネス・ブーツ

ハーネス・ブーツ(harness boots)における「ハーネス」とは、馬車牽引馬の為の馬具の一つで、馬車を引かせる目的で馬に付ける引き具を指します。このベルト状の引き具が、足首からインステップに取り付けられて、そのベルトに大きなバックルをあしらったブーツのことをハーネス・ブーツと呼びます。

羽根

羽根(はね)とは、腰革のインステップ部を被う部分で、靴に足を入れやすくするために、靴の中央で内と外に分かれ、ひも靴の場合は、ひもを通すためのハトメがつけられている部分。取りつけ方により、内羽根と外羽根がある。

バフ

バフ(buff)とは、革の銀面や肉面を、サンドペーパー等で磨くことです。バフが施されるのは、「スエード」などの起毛素材を作る場合、または製靴工程で接着剤等を接合し易くする為です。

ハーフ・ウエリントン

ハーフ・ウエリントン(half Wellington)とは、ハーフ丈のウエリントン・ブーツを指します。ちなみに「ウエリントン・ブーツ」は、英国の初代ウエリントン公爵(Duke of Wellington)が作成した革製の乗馬用のロングブーツのことです。このブーツは胴(シャフト)が長く膝下まであり、ラウンドトゥで低めの踵を持ちます。素材にはカーフ(子牛)が使用されることが多い様です。

パーフォレーション

パーフォレーション(perforation)とは、装飾効果を目的にアッパー(甲革)に開ける穴飾りのことで、日本語に訳すと「穿孔」の意味になります。「メダリオン」が小さな穴を開けることなのに対し、パーフォレーションは大きめの穴を開けて模様を入れたものであり、更にこうした穴飾りが入った靴は「ブローグ」(模様を入れた靴)と言われています。

ハーフ・ソール

ハーフソール(half sole)とは、靴底の前半分を補強するソールのこと、もしくはその修理方法です。詳しくはソールのトウ寄りの前半分に貼るソールのことで、通常は修理において用いられますが、その本来の目的はソール本体の消耗防止や磨耗したソールの補強、または滑り止めなどです。

擦り減ったソールを放っておくと、滑り易くなるだけでなく、靴の寿命自体も短くなってしまいますが、ハーフソールには革底の滑り止めと共に磨り減り防止の効果もあります。特にヒールの高い婦人靴などは、ハーフソールの有無で滑り易さが変わるだけでなく、本体の靴底を減らさずに履き続けられるメリットもあるのです。

また革製(レザー)のハーフソールは水分を吸い上げ易く、アッパー甲革)部分に染みが出来たり塩分が吹き出したりすることがあるので、これを防ぐ目的でラバーソールを使用する場合もあります。但し、通気性や吸湿性に関してはアッパーやインソール中底)の素材の類別が大きく影響するので、革製(レザー)かゴム製(ラバー)かは、各々の靴に適したものを選択することが必要とされています。

パリス・ポイント

パリス・ポイント(paris point)とは、サイズの表示方法の一つで、「フレンチ・サイズ」、「コンチネンタル・サイズ」、また「ヨーロッパ・サイズ」とも言われている靴型の全長を表示する方法のことです。この場合の“サイズ1”は2/3cmとなり、婦人靴を例にとると“36”や“37”などと表示されているものです。この単位はヨーロッパ大陸の主要国、特にフランスやドイツイタリア、そしてスペインなどで使われています。

バリー・ラスト

バリー・ラスト(barrie last)とは、靴の木型(ラスト)の一種です。トラディショナルでベーシックな木型ですが、若干、寸法が大きめとなりますので、このタイプの靴を選ぶ場合は、本来、26.5cmであれば少し小さい 26cmを選ぶと良いでしょう。

バルカナイズ式製法

バルカナイズ式製法(vulcanizing process)とは、釣り込んだアッパー(甲革)をモールド(金型)にセットし、これに未加硫の合成ゴムを流し込んで熱と圧力を加え、加硫と底付けを同時に行う靴の底付け方法のことで、「直接加硫圧着式」、あるいは「VP製法」とも呼ばれます。ちなみに「加硫」とは、生ゴムに硫黄などを化合させて目的に応じた弾力性のゴムを製造する操作のことです。

この製法は、ゴムを造りながら同時に靴底の成型と圧着を行ってしまうので、底剥がれの心配がありません。しかしモールド(金型)の製作にコストが掛かることから、頻繁なモデル・チェンチが難しいというデメリットがあります。

パール仕上げ

パール仕上げ(pearl finish)とは、靴の仕上げ方法の一つで、顔料系の仕上げ剤にパールエッセンスを加えて塗装をすることで、光が多重反射して真珠の様にキラキラと輝く光沢効果を示します。

通常、パールエッセンスには天然魚鱗と雲母を基材とした人工パールが利用されていますが、仕上げは上塗りラッカー液中にこれらのパールエッセンスを加え、必要に応じて染料または透明性顔料で着色して使用します。

ファッション性の高い靴や鞄に使用される革によく施される仕上げ方法ですが、「ラッカー仕上げ」より被膜が一膜ほど多いことから張り感と堅さが出る反面、ラッカー仕上げによる革よりも折りジワが目立つ欠点もあります。

バレル・ヒール

バレル・ヒール(barel heel)の「バレル」とは“樽”の意で、樽の様に中央が膨らんだフォルムのヒールのことを指します。中寸で、「スタックド・ヒール」の場合が多いとされます。

パン

パン(pan)とは、厚底靴などで使われるパーツで、ソールを厚くして高さを出す目的でアウトソール(本底)とインソール(中底)の中間に挟むものです。その素材は木やコルク、または発泡性の素材などが用いられ、一般的にはアッパー(甲革)を同じ素材を被せ、またはその上に装飾を施したりもします。

半敷

半敷(half length sock)とは、インソール(中敷)の中で長さが通常の半分程度のもの(踵部からウエスト部までのタイプ)を指しますが、これに対して爪先までに至るものを「全敷(ぜんじき)」と呼びます。

また半敷は、紳士靴などによく用いられる靴の踵から土踏まずにかけて敷かれるタイプと、つま先部分に入れるタイプに分かれます。前者の半敷はつま先の形を選ばないので、あらゆる種類の靴に合わせることが可能です。また摩擦や圧力によって消耗し易い踵の補強になるだけでなく、厚みを持たせることで背を高く見せる効果もあります。後者の半敷は、婦人靴などに入れて捨て寸を埋めることでサイズ調整を行うことが可能となり、更に最近では、偏平足など足のトラブルを軽減させる機能が付いた半敷もあります。

ハンティング・ブーツ

ハンティング・ブーツ(hunting boots)とは、狩猟用のハーフ・ブーツのことです。ゴム製の靴底と革製のアッパー(甲革)からなる紐結び式が一般的です。この靴の代表例としては、米国のL.L.ビーン社の製品がありますが、「メイン・ハンティング・シューズ」あるいは「ビーン・シューズ」と呼ばれて、ハンティング・シューズの基本型となっています。

ハンドソーン・ウェルテッド製法

ハンドソーン・ウェルテッド製法(hand sewn welt process)とは、全ての製靴工程を手縫いによって行う、靴製作の基本となる製法です。ウェルト(細い帯状の革)とアウトソール(本底)を出し縫いで縫い付けるウエルト靴の様に手で底を縫い付けたり、またモカシンのプラグ、あるいは全体を手で縫ったりしている場合に用います。そして「ウェルテッド系製法」全体の原型となる製法となりますが、効率良く作業を行う目的で製造工程の一部に機械を導入したものが「グッドイヤー・ウェルト製法」となります。

尚、この製法では、アッパー(甲革)を製作してから足裏にまとめて縫い込み、次いでソールを付けるという製作の流れを全て手作業で行う為に、非常に手間暇がかかる一方、仕上がった靴は職人の技術が結集した一流品だと云えます。通常、オーダーメイドの注文靴などに使用されることが多い製靴方法ですが、利用可能な素材も幅広く、手縫いな為に柔軟性が高く独特の風合いのある靴に仕上がるという点も、この製法の魅力とされています。

ちなみに、この製法を含むウェルテッド系製法で作られた靴は、靴底が擦り減った際には、「オールソール」(靴底全体を張り替える修理法)が可能であることから、同じ靴をより長く履き続けることが出来るのも、大きな利点とされています。

パンチング

パンチング(punching)の「パンチ」とは「穴を開ける」ことであり、アッパー(甲革)のデザイン技法の一つとされています。またこの場合は丸穴が一般的ですが、丸の大小、また星型に抜いたり、更には一般的には裏なしですが、色違いの裏を付けて穴から裏を覗かせたりするなどのデザイン的な変化を施す場合もあります。特に裏なしで用いる場合は、夏用の靴のテクニックとして使われる場合が多い様です。

バンプ

つま先革(vamp)とは、アッパー(甲革)の甲より前方の革のことで、「つま革」や「バンプ」とも呼ばれます。このつま先革がどの様な飾り革で覆われているか、あるいは覆われていないかによって靴の種別が変わります。飾り革で覆われている場合は「ウィング・チップ」や「ストレート・チップ」といったデザイン上で分類することが可能です。また、つま先革にステッチや飾りが施されていない場合でも、「プレーン・トゥ」といった種類に分類することができます。

パンプス

パンプス(pumps)とは、フロント部分がローカットとなっていて、通常はトップラインが浅めで紐やベルトなどの留め具が一切ついていない靴のことを指します。本来はヒールの高さや、また「オペラ・パンプス」の様な紳士靴も含み、男性用や女性用の限定もありません。しかし我国では、女性用の中寸以上のこのタイプの靴をパンプスと呼称することが一般的とされています。

ハンプトン・ラスト

ハンプトン・ラスト(hampton Last)とは、靴の木型の一つです。クラッシックな緩やかな「ラウンド・トゥ」で、普通より少々(1/4程度)長いとされています。また「アバディーン・ラスト」よりも、僅かに幅広となっています。

バン・ラスト

バン・ラスト(van last)は、普通のサイズより1/4から1/2ほど大きな木型(ラスト)です。「バリー・ラスト」よりは少し小さめで、モカシンなどによく使われています。

ビーチ・サンダル

ビーチ・サンダル(beach sandal)とは、本来、海岸で用いられる目的で作られたサンダルです。水に塗れても良い様に、底の素材はゴムやコルク、木・ビニールなどが使用されます。また甲側の多くは、派手な色彩の色織物やゴム、そしてビニールなどで作られています。

ピッグスキン

ピッグスキン(pigskin)とは、豚革のことです。通気性・耐摩耗性に優れ、毛穴の跡の模様が独特で、靴たけでなく、衣料用や鞄、袋物・靴の裏用など幅広く活用されています。ちなみに我国で原皮の自給自足が可能なのは、唯一このピッグスキン(豚革)だけとされています。

ピープ・トゥ

ピープ・トゥ(peep toe)とは、爪先が小さく開いており、足の指が外から見える靴のことです。

ビブラムソール

ビブラムソール(vibramsole)とは、イタリアのソールメーカー「ビブラム(Vibram)」社が開発・製造しているゴム製のアウトソール(本底、or 表底)のことで、厳密には同社の商品名ですが、スパイクタイヤの様に凹凸があるゴム製アウトソールの総称として用いられることもあります。本来は登山靴用に開発された為に軽くて丈夫な上、歩行時に地面からの衝撃を吸収します。また堅牢でありながらビブラムソールは軽く、防滑性にも優れています。現在ではファッションアイテムのひとつとして、タウン・シューズとしても広く用いられています。

ヒール

ヒール(heel)とは、靴の踵(かかと)部分を指し、もしくは靴に高さを出す為にその部分に取り付ける部品(パーツ)のことです。ヒールがない靴の場合は、体重が踵に集中して足が疲労し易くなりますが、この重さを足底の各部に分散・平均化するため為の調節機能を果たすことがヒールに求められているのです。また適度な高さのヒールであれば蹴る力が地面に伝わり易く、歩行が楽になるとされていますが、当然ながらデザイン的な面でも重要な役割を有しています。

ヒールの高さは、欧米ではヒールの前面の付け根から靴底との繋ぎ目から床までを垂直に計った高さをインチ(inch)で表し(諸説あり)、日本のJIS規格では後部の付け根から床面までを垂直に計りセンチメートル (cm)で表しています。そして 3cm以下をローヒール、3.5~6.5cmを中ヒール、7cm以上をハイヒールと呼びますが、その形状には様々なタイプが存在します。また使用される材質は、低いタイプでは合成ゴムや革積みが、高いものでは木製やプラスチック、または軽合金とプラスチックなどを組み合わせたものなど、これも多くの種類があります。

現在のヒールに相当するものは15世紀から16世紀ごろには誕生しており、当初は単に背丈を高く見せる役割だったり、雨天に外出する時に靴底を濡れた地面から離す為などを目的として、台形型のヒールが靴底に取り付けられていたとされています

ヒール・カウンター

ヒール・カウンター(heel counter)とは、踵を補強する為の芯の入っている部分のことで、靴の型崩れを防ぐのはもちろんのこと、何より足をしっかりとホールドする役割を持っています。通常は踵の形状に合わせて丸みを帯びており、運動時の足の安定性に関わってきます。尚、運動靴の踵を潰して履いていると、これではヒール・カウンターの性能を自ら放棄している様なものです。

ヒール・トップ・リフト

ヒール・トップ・リフト(heel top lift)とは、ヒール本体を保護する目的で取り付けられたパーツのことで、「トップ・リフト」や「トップ・ピース」、「化粧」、「化粧革」などと呼ばれることもあります。

長年の使用によってヒールが擦り減ってしまった場合でも、「ヒール・ブロック(heel block)」(ヒールの本体)が無事であれば、ヒール・トップ・リフトを交換する事でその靴を継続して使用することが可能です。またこのヒール・トップ・リフトに用いられる素材は、革靴であれば皮革素材が多いのですが、最近では滑り止め効果のある合成樹脂のゴム素材が使われる場合も多くなっています。

ヒール・ブレスト

ヒール・ブレスト(heel breast)とは、ヒールの中で靴を履いた時に前を向いている面のことであり、靴の土踏まずに接する部分を指します。

ヒール・ブロック

ヒール・ブロック(heel block)とは、靴の踵に付いているヒール本体のことを指しますが、地面から順番にヒール・トップ・リフトヒール・ブロック、アウトソール(本底)の順に重なっています。またこのヒールブロックは、適度な高さにすることで歩き易くなるといった機能的な役割以外に、現代では(特に婦人靴において)デザイン上の意味合いが大きく、地面に向かって徐々に細くなっていく「キューバン・ヒール」や、革を層状に積み上げて作られる「スタックド・ヒール」など、ヒール・リフテイングの方法や形状は大変多く存在しています。更に、その高低のバリエーションも非常に豊富となっています。

ヒール・リフト

ヒール・リフト(heel lift)とは、ヒールにおける革などの積み上げのことを指します。ヒール全体の中で直接地面に接している部分を「ヒール・トップ・リフト」と呼び、その上部を「ヒール・ブロック」と言いますが、数枚の革を積み上げることで製作する「スタック・ヒール」などのヒールブロックを、特にヒール・リフトと呼ぶのです。但し、使われる素材の種類に拘わらず、ヒール・トップ・リフトを除いた部分をヒール・リフトと呼び、ヒール・ブロックとほぼ同意義の用語として用いられることも多い様です。

ヒール巻き

ヒール巻き(heel cover)とは、ヒールに巻かれているシートのことで、一般的に「ヒール・トップ・リフト」以外の本体部分を巻いている皮革や合成素材のシートを指します。尚、アッパー(甲革)が革で作られている場合にも、靴の形状等によっては、ヒールには異なる素材が用いられることがありますが、この様なヒールにアッパーと同色の革や合成皮革などを巻くことで、デザインに統一感を持たせる事があります。更に、ヒール巻きには傷が付いて捲れてしまっても新規に巻きの部分を交換することが可能であるというメリットもあります。

ピンキング

ピンキング(pinking)とは、靴の端や縫い目に沿って施した、装飾的なジグザグの刻み目のことです。

Vチップ

Vチップとは、甲皮の先端がVの字型となっている靴のことを指します。所謂(いわゆる)、「Uチップ」と云われたモデルの亜流であり、Uチップの甲皮の形がU字ではなくV字となっていて、少しばかり先端が尖ったシャープな形をしているものです。尚、米国ではVチップやUチップという用語は一般的ではなく、「ノルウィージャン・フロント(Norwegian Front)」と呼ばれています。

ファウンデーション

ファウンデーション(foundation)とは、靴業界ではソールの構造のことを指し、1枚のゴムから出来ている単純なタイプから、「ウェルト」や「ミッドソール」、「スタックヒール」、そして「アウトソール」から成る複雑なものまで、幾つかの種類が存在します。

フォクシング

フォクシング(foxing)とは、アッパー(甲革)とソールを繋ぐ細長いゴムで、キャンバス地のスニーカー等によく使用されます。

ブーツ

ブーツ(boots)とは、履き口の高さが踝より上にあるものを指し、通常はこれがブーツ(深靴)と定義されています。つまり踝やそれ以上の脚(場合によっては膝や腿、尻まで)を覆う靴ですが、用途やデザイン、作り方によってその形は異なり、丈の長さだけではなくヒールの種類やそもそも素材にも多くの違いがあり、その種類は多種多様です。

ただ同じブーツでも、米国と英国とではその概念に多少のニュアンスの違いがあり、英国の場合は、通常の「シューズ(短靴)」や「スリッパー」・「パンプス」などと区別して履き口がハイカットのシューズを指す様ですが、片や米国では脹脛(ふくらはぎ)を覆うタイプ、もしくは脹脛より上に出る「トップ・ブーツ(top boots)」(乗馬靴)の様な種類の靴を指すのが普通であり、日本では「長靴」がこれに相当します。尚、ブーツはその高さによって「ロング~」や「ハーフ~」、「アンクル~」(「ブーティ」とも)、「デミ~」などに分類されます。また英国においては、ブーツと云えばは「編上げ」(「レースアップ」)型がその多くを占めています。

ブーツ・ジャック

ブーツ・ジャック(boots jack)とは、長いブーツを脱ぐ際に踵を挟んで足で押える道具のことです。

複式縫い

複式縫い(double stitching)とは、ウエルト(細革)を用いた製法で、アッパー(甲革)と細革を中底のリブにすくい縫いし、細革と本底を出し縫いによって接合するもののことです。

袋縫い式製法

袋縫い式製法とは、1枚の柔らかい革で足の底から包み込み、甲の上でU字型に縫いつける製法のことです。この製法のメリットは、中底を付けることなくモカシン縫いで仕立てる為に、足によく馴染み履き心地の良いことです。「インディアン・モカシン」と同じもので、単に袋縫いまたは袋仕立てとも呼ばれています。

フット・ベッド

フット・ベッド(foot bed)とは、解剖学に基づいて開発された、足裏の起伏に対応する立体的な凹凸が施された中敷きのことで、ドイツ語では「フスベッド(fusbed)」と言います。足にとってクッションとなるだけでなく、フィット感を高めて足を安定させます。ちなみに、この起伏のつけ方によって足のトラブルを緩和・矯正することも可能となり、その為、健康靴に使用されることも多い様です。

ブーティ

ブーティ(bootee/booty)とは、踝が隠れくらいの丈の短いブーツのことですが、特に女性や子供用の踝丈の軽いブーツを示す時はこの用語で呼ばれます。また、「ゴア(まち)」と呼ばれる伸縮性のある素材を脇や履き口に縫い込んだ男性用の半長靴もブーティと呼ばれることがあり、更に「編上げ」の半長靴にも同様の言葉が使用されます。

プラザ・ラスト

プラザ・ラスト(plaza last)とは、「アバディーン・ラスト(aberdeen last)」よりも少しだけ幅(特に踵下と爪先)が狭く、また少しだけスクエア・トゥ型になっている木型(last)ですが、比較的オーソドックスな形とされています。

ブラック・ラピド製法

ブラック・ラピド製法(blake rapid process)とは、「マッケイ製法」で仕上げた後、ウェルト(アッパーとアウトソールを縫い付ける細い帯状の革)とアウトソール(本底)で挟み込み、出し縫いで縫い上げる製法ですが、より厳密にはアッパー(甲革)と中底、そして中間底がマッケイ縫いされていて、中間底と表底が出し縫いされています。また中底と中間底の間にコルクなどが詰められていますから、実際には「マッケイ製法」に近いのですが、外観の仕上がり・見た目は「グッドイヤー・ウェルト製法」に似ています。

ちなみにマッケイ製法はソールの返りが良く、軽くて履き易い靴に仕上がるという特徴を持っていますが、残念ながら耐久性には少々欠けます。一方、グッドイヤー・ウェルト製法は、耐久性の高い靴が製作可能ですが、履き心地が硬くなってしまいます。

ブラック・ラピド製法は、上記の二つの製法のメリット(軽くて履き易く、耐久性も高い)を併せ持っており、また、マッケイ製法のデメリットである耐水性の低さを、アウトソールを出し縫いで貼り合わせる方法を採用することで克服して、雨にも強い靴となっています。

ブラッシュド・レザー

ブラッシュド・レザー(brushed leather)とは、スウェード、ベロアなど、起毛した革のことです。

プラット・シューズ

プラット・シューズ(plat shoes)とは、上の甲革と同じ革で包み(「プラットフォーム」と云う)、つま先からヒールまでの底を分厚くした靴のことです。

プリント仕上げ

プリント仕上げ(print finish)とは、外観やその効果の違いによる靴の仕上げ方法の一つで、色々な模様を革にプリントするもので、転写フィルムを貼りつける方法や直接プリントする方法があります。

プルオーバー

プルオーバー(pull-over)とは、木型の上にアッパー(甲革)を被せたもので、靴のスタイルの見本として用います。但しこの際のアッパーには、「先芯」や「月型」(月型芯、カウンター)・「裏革」などは何れも取り付けられていません。

フル・グレインレザー

フル・グレインレザー(full grain leather)とは、一般的に鞣した後にサンドペーパーやバッファーによる処理を行わず、原皮の「シボ」や天然の風合いをそのまま活かした革(レザー)のことを指します。

プル・ストラップ

プル・ストラップ(pull strap)とは、靴の履き口の両サイドや後部等に取り付けられる「つまみ革」や布テープのことで、その主な役割は、靴の着脱を容易にする事であり、靴を履く際にこのプル・ストラップを指で引っ張る様にして持つことで、靴ベラ等を使用しなくても靴の踵の形を崩さずに足を滑り込ませることが可能となります。そこで、このプル・ストラップは靴ベラを使用するとかえって履き難くなるハイカットの靴やブーツ等に用いられる場合が多い様です。

またブーツ等だけではなく、スニーカーの様な布製のシューズ類にもプル・ストラップが付けられることがありますが、この場合は着脱を容易にするということ以上に型崩れの防止という目的の方が大きいとされています。更にこのストラップは、装飾として取り付けられる場合もあります。

ブル・ハイド

ブル・ハイド(bull hide)とは、去勢されていない牡の成牛の皮のことで、底革用に鞣して使います。

フルグレイン・アッパー・レザー

フルグレイン・アッパー・レザー(full-grain upper leather)とは、銀(ぎん)付き甲革のことです。

ブレーキ

ブレーキ(break)とは、ヴァンプ上で革(レザー)の向きが変わって「タン」または脚部と合わさる箇所のことで、歩くことによって自然にできるアッパー(甲革)の皺を指す場合もあります。

フレンチ・サイズ

フレンチ・サイズ(French size)とは、「コンチネンタル・サイズ」とも呼ばれるフランス式の靴サイズ表示法のことです。2/3cmを基本単位とし、踵点を起点(「0」)とし、「1」、「2」、「3」‥‥と順に靴型の寸法が表示されます。つまり「36」(=24cm)という表示なら、これに3分の2cmを掛ければ、靴の長さを求めることが可能ですが、我国の履き口サイズとは違って、フィッティング時には「捨て寸」を考慮する必要があります。

フレンチ・バインディング

フレンチバインディング(french binding)とは、紐状の素材(アッパーとコントラストを成す素材の場合が多い)をトップライン(履き口)の縁に縫い付けた装飾的な仕上げを指します。

プレーン・トウ

プレーン・トゥ(plain toe)とは、アッパー(甲革)やつま先に装飾やステッチが施されていない無飾りのシンプルな靴の総称です。但しプレーン・トゥにも、内羽根式や外羽根式などの違いがあり、幾つかの種類が存在します。冠婚葬祭等のフォーマル(公的)なシーンでは、内羽根式のプレーン・トゥがよく履かれますが、この他にも、継ぎ目のない上質な一枚革で作られた「ホールカット(ワンピース)」のプレーン・トゥなど、シンプルでありながらエレガントなスタイルにマッチするデザインもあります。

プレーン・パンプス

プレーン・パンプス(plain pumps)とは、シンプルなデザインのパンプスのことです。この場合のプレーンは簡素で無装飾なことを意味し、ストラップや紐、リボンなどの飾りが施されていません。このタイプは「ベーシック・パンプス」とも呼ばれ、パンプスの中でも基本中の基本とされていますが、最も正式なフランス風パンプスは、アッパー(甲革)が丸く抉られており、ハート型のものは米国スタイルとされています。尚、つま先の形は「ラウンド・トゥ」や「ポインテッド・トゥ」、「ペンシル・トゥ」などと様々です。またヒールも、「ローヒール」から「ハイヒール」まで幅広くあります。

ブローグ

ブローグ(brogue)とは、W型の「爪先飾り」や「模様穴飾り」、そして「ギザ飾り(抜き)」などを施したゴージャスな「オックスフォード・シューズ」を指します。またこの靴に関しては、アイルランドやスコットランドの農民に使われた、水はけを良くし通気性を上げる為に適度な穴が開けられた粗末な農作業用の靴が由来とされています。

中でも全体に飾穴が施されたデザインのものを「フル・ブローグシューズ」と呼び、またつま先のM字部分が羽に似ていることから「ウィングチップ」とも言います。尚、着衣とのコーディネートについては、ジーンズ等のカジュアルなスタイルからビジネス・スーツまでと適応範囲が広く、利用シーンを選びません。

ベアフット・サンダル

ベアフット・サンダル(barefoot sandal)のベアフットは「裸足」・「素足」のことで、足の甲部の露出が多いサンダルを指します。

ぺコス・ブーツ

ぺコス・ブーツ(pecos boots)とは、スチールのがっしりとしたトウ・キャップと分厚いヒールの付いた頑丈なハーフ丈のワークブーツのことで、ウエスタン・スタイルのテイストを取り入れた靴でもあります。履き口は締め付けがなくルーズ・フィットでやや幅広になっており、アッパー(甲革)には「オイルド・レザー」が使用されています。またヒールは低くて広いのが特徴、そして着脱し易い様にサイドに「プル・ストラップ」も付いています。ソールが分厚く簡単に履けることから、元々の作業用に加えてアウトドア用全般としても人気がありますが、更にそのデザイン性が大いに受け入れられて、ファッションアイテムとして街歩きの為のタウン用としても広く愛用されています。

尚、このブーツは米国のミネソタ州のブーツメーカー「レッド・ウィング(RED WING)」社の商標で、テキサス州ペコス川の流域で農作業用として履かれていたハーフ丈のブーツが由来となっているそうです。但し最近では、ルーズ・フィットタイプのブーツの総称としてこの名前が広く定着している様です。

ペッグ

ペッグ(peg)とは、靴作りに使用する木製の釘のことで、我国では「ペース」と呼ばれています。また現在、靴の製作に使用される釘は木製ではなくて金属製の釘やタックス(tacks、アッパーをラストに釣り込む際に用いられる釘)が一般的であることから、ペッグという言葉はタックスなども含めた製靴で用いられる釘全般を指すことが多い様です。

ペッグはアッパー(甲革)の釣り込みやヒールの積み上げなどに用いられますが、木製のペッグはそのまま打ち込んでしまうと折れてしまう恐れがある為、先ずは「ぶっ込み」と呼ばれる錐で下穴を空けてから打ち込みます。またペッグには金属釘の様な頭部の傘の部分がありませんが、ペッグを使用する際には接着剤を併用した上に、後々に水分を吸収してペッグ自体が膨張することから外れ難くなります。

アッパーを釣り込む際のペッグの用途はタックスと同じで、形成したアッパーの仮留め用として使用されます。ちなみにペッグの太さや長さには数種類がありますが、これらは対象の革の質や厚さによって使い分けられています。

ヘップ・サンダル

ヘップ・サンダル(hep sandals)とは、「ヘップバーン・サンダル(Hepburn sandals)」の略称です。女優のオードリー・ヘップバーン(Audrey Hepburn)が、1954年公開の映画『ローマの休日』で履いていたことが流行の一因とされている突っ掛け式のサンダルを指します。ちなみに、同じく彼女が主演した映画『麗しのサブリナ』がその名の由来とする説も広く流布していますが、こちらは「サブリナ・シューズ(sabrina shoes)」のことで、ヒールが低く履き口が浅いパンプスタイプの靴の事です。

ヘップ・サンダルは足首や踵に掛けるストラップが無く、つま先が開いたウエッジ・ヒールになったサンダルで、現在では「ミュール(mule)」の名前で親しまれています。尚、本来のヘップ・サンダルはヒールが低く、室内履きとして作られたサンダルでしたが、映画で人気を博してからは外履きとして浸透していきました。

ペニー・ローファー

ペニー・ローファー(penny loafer)とは、アッパー(甲革)前部(ヴァンプ)のベルト飾りに穴(スリット)の空いている「スリッポン(slip-on)」のことです。またこのスリット(隙間・切れ目)は、硬貨を1枚挟めるサイズとなっていて、一説によると1930年代の緊急通話の料金が2セントだったことから、左右に1枚ずつ1セント硬貨(ペニー)を嵌められるこの靴をペニーローファーと呼ぶようになったと云います。尚、甲部の形状はモカシンタイプで、カジュアルな靴として履かれることが多いのですが、デザインによっては準フォーマルとして使用することも可能です。

ベビー・ドール・シューズ

ベビー・ドール・シューズ(baby doll shoes)とは、トウが丸く「ローヒール」な靴のことです。このスタイルが人形の靴の様であることから、この名が付きました。ミニスカート全盛の時代に、よくコーディネートさせて履かれた靴として有名です。

ベロア

ベロア(velour)とは、牛革の裏面を起毛した毛足の長い革のことです。但し、床(とこ)革の裏面を起毛した「床ベロア」は商品価値が劣ります。

ペンシル・トウ

ペンシル・トウ(pencil toe)とは、靴型・トウのひとつで、尖った鉛筆の先端のようなスタイルを指します。

ポインテッド・トゥ

ポインテッド・トゥ(pointed toe)とは、つま先の先端が細い靴のことです。またこれは、男性靴にも女性靴にも見られるデザインで、その多くがシャープなフォルムをしています。また、ポインテッド・トゥはつま先が尖っていることから「捨て寸」と呼ばれるつま先の空間が長いのも特徴となっています。尚、つま先が尖っている形状には他に「ペンシル・トゥ(pencil toe)」がありますが、これはポインテッド・トゥに比べてより直線的に尖っているものです。逆に、つま先が丸い形状のものを「ラウンド・トゥ(round toe)」と呼びます。

ボウ

ボウ(bow)とは、アッパー(甲革)に施されるリボン飾り(蝶飾り)のことです。このボウはアッパーのつま先部分に付けられることが多いのですが、踵部分やサイドに施されることもあります。また「スリッポン」や「パンプス」によく見られるものですが、スニーカーの様な紐靴に取り付けられることもあります。本来は紳士靴用の飾りでしたが、現在では女性靴にも多く用いられています。

細革

細革(welt)とは、本来は細い帯状のヌメ革で、「押縁」や「ウエルト」とも呼ばれます。「グッドイヤー・ウエルト製法」においては、アッパー(甲革)と底部を接合(甲革と中底リブをすくい縫いした後にアウトソールを出し縫い)する役割を果たします。

「マッケイ製法」や「セメンテッド製法」等では、アッパーとアウトソールの境目の隙間を埋める目的で、コバに貼り付けたり縫い付けたりしますが、「グッドイヤー製法」に見せかけて単なる装飾として付けることもあリ、そういったケースではゴム製や合成皮革などの細革が使われる場合もあります。

ボックス・カーフ

ボックス・カーフ(box calf)とは、銀面が「ボーディング仕上げ」(本来はクロム鞣し)されたカーフのことです。

ボックス・トウ

ボックス・トウ(box toe)とは、つま先部に入れる先芯のことです。靴のつま先の型崩れを防ぐことがその主な役割で、現在では床革からポリエステレンなどを原料とする化成品に変わりつつあります。

ボート・シューズ

ボート・シューズ(boat shoes)とは、滑りにくい底の付いた船の甲板で履く為の専用靴のことです。革製と布製がありますが、「デッキ・シューズ」もこの靴の一種です。

ポリッシュ

ポリッシュ(polish)とは、靴磨きに用いる油性のワックスです。また「艶」・「光沢」との意味から、靴クリームのことも指します。またポリッシュには艶出しの効果があることから、鏡面磨きの際にも使用されます。

尚、靴の手入れに使用するクリームには二種類があり、先ず一つは「乳化性のシュークリーム」と言われるもので、浸透性が高く保湿効果があります。表面の染色効果がある為に、どんな色でも作り出すことが可能で、靴クリームの75%が乳化性のシュークリームです。そして二つ目が「油性のシューポリッシュ」と名付けられたワックスです。

ポリッシング

ポリッシング(polishing)とは、靴の革(レザー)部分に行う毎日の基本的な手入れのことです。専用の靴クリームを使用して、なめらかさと輝きを保つことが大切とされます。

ポーリッシュ

ポーリッシュ(polish)とは、編上げの婦人靴のことです。ヒールのつけ根から上に5インチ、あるいはそれより少し深くなっています。元来はポーランドでよく履かれていた為から、「ポーリッシュ」との呼名があります。

ボール

ボール(ball)とは、足の親指のつけ根と小指のつけ根の最も突出したところのことです。また、この部分の回り寸法を「ボール・ガース(ball-girth)」と呼びます。

ボール・ジョイント

ボール・ジョイント(ball joint)とは、足の親指と小指の付け根の突き出た部分で、足の最も幅が広い部分で靴選び・靴合わせの時に重要となります。親指の方を「インサイドボール」、小指の方を 「アウトサイドボール」と言います。

ボロネーゼ製法

ボロネーゼ製法(bolognese process)とは、靴の足前部に特徴的な袋状のアーチが出来る製法のことで、ボローニャ製法と呼ばれることもあります。この製法はマッケイ製法の一種で、イタリアのボローニャ地方発祥の製法とされており、第二次世界大戦中にイタリアの有名靴ブランド「ア・テストーニ(a. testoni)」の創業者であるアメディオ・テストーニ(Amedeo Testoni)が完成させた独自技術と云われています。

一般的なマッケイ製法はアウトソール(本底)をインソール(中底)に直接縫い付けますが、ボロネーゼ製法では前足部に通常のインソールを使用せず(後足部はアッパーにインソールを入れて釣り込む)アウトソールと袋状仕立てたインソールを縫い合わせます。この袋状の構造によりソールのしなりに無理が生じない為、足がピッタリと靴に包み込まれて大変良くフィットし、柔軟性に富んで柔らかくて履き心地が良い靴が生まれます。しかし一部には中敷(sock lining)を敷くことで、その本来の機能性を損ねているものもあります。また手の込んだ作りから、主に高額の靴製品で採用されている製法となっています。

本染め革

本染め革(fullgrain leather)とは、毛を除いただけの自然で美しい銀面を生かしたクロム鞣し・染料仕上げの革のことで、所謂(いわゆる)、王道の革らしい革であり、「銀付き」ないしは「フル・グレイン」とも呼ばれます。

-終-

⇒ 靴業界編 – 1〈あ/ア行~か/カ行の言葉〉

⇒ 靴業界編 – 2〈さ/サ行~な/ナ行の言葉〉

⇒ 靴業界編 – 4〈ま/マ行~わ/ワ行の言葉〉

 

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