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【ライバル対決】 独軍 シュビムワーゲン vs 米軍 フォードGPA 〈3JKI07〉

Typ 166”と“フォードGPA”の比較

シュビムワーゲン“Typ 166”は、製造し易い設計と優れた生産性によりそのトータル生産台数は僅差ではあるが、第二次世界大戦中に最も多く生産された小型水陸両用車輌となった。しかし実はこのシュビムワーゲン、緊急用と割り切った超ローギアを1速に入れた時にのみ4輪駆動となるRR車だったのだが、ハブリダクション+デフロックの機構に加えて軽量の車体重量のおかげで(当時の)他の4輪駆動車よりはるかに走破性は良かったとも伝わる。

また排気量はわずか 1,130ccで25馬力しか発揮出来ない水平対向エンジン搭載ではあったが、通常型のジープにも劣らない走りを見せたとされる。水上では特別な操舵装置は無く、前輪のハンドルを切れば舵を切った様に方向転換が可能であった。

一方“フォードGPA”は、車体後部に水上航行用のスクリューや舵を備えていて、水上走行時における動力機構の信頼性はかなり高く、推進装置や操舵、排水機構などは通常の車輌には見ることのない独特の構造であった。だが通常型のジープである“フォードGPW”に比べて大型で重いのにも関わらず同程度の出力のエンジンを搭載、この為に陸上走破性も劣っていた上に肝心の水上での走行性能もあまり芳しくなかった事から、後に更に大型の水陸両用車 “DUKW”が登場した以降は、その活躍の場を失う事になった。それは即ち、“フォードGPA”が水陸両用車輌として中途半端な位置づけとなっていたことに由来するのだろう。

東部戦線でのGPA

しかしソ連では、この“フォードGPA”を重用して“GAZ-46の名称でコピー生産した他、独自に改良した後継車の開発・生産も行い第二次世界大戦後も長らく運用していたとも云うから、独ソ戦での勝利に寄与した貴重な戦力であったとも考えられる。

さて結論としては、“フォードGPA”は独軍のシュビムワーゲン“Typ 166”より、確実に陸上での走行性能が劣っていたとされる。更にシュビムワーゲン“Typ 166”は“フォードGPA”より軽量で全長も短かくコンパクトで、実弾飛び交う緊迫した戦場での取り扱いでは有利な面が多かった様だ。通常型のジープがエンジン性能でキューベルワーゲンを大きく引き離していたことが、水陸両用タイプにおいては“フォードGPA”がかなり重量が増えたことでその優位点がほぼ帳消しとなり、シュビムワーゲン“Typ 166”のシンプルなデザインや小型軽量さが大いに有利に働いたのだった‥‥。と云う訳で、水陸両用ヴァージョンでの対決は、シュビムワーゲン“Typ 166”の勝利となろうか。

 

前回の記事で、キューベルワーゲンのことをカエルの様な愛嬌のある姿をしていると表現したが、よく考えてみると(否、べつに良く考えずとも)ここで前言を取り消したいと思う。それは本稿で取り上げたシュビムワーゲン“Typ 166”こそが、まさしくカエルの様な形をしているからであるが、それはデザインがカエルに似ているだけではなく、その水陸両用の性能がまさしく両生類に等しく、正真正銘のカエルと云えるからである。但し、カエルというよりも子供のカバの様だという声も聞こえてくるが‥‥。となると“フォードGPA”の方は何だろうか? 前照灯の配置部分や水上走行の様子などからは扁平で鈍重なワニの様ではあるが、ワニほどの獰猛さは感じられない(笑)。

-終-

【参考-1】本記事冒頭の写真に関連して‥‥W.W.Ⅱの独軍ファンならば、とうにご存知だろう“ヨッヘン/ヨーヘン”ことヨアヒム・パイパー(Joachim Peiper、1915年1月30日 – 1976年7月13日)SS大佐だが、冒頭掲載の写真は、1944年12月の“アルデンヌ攻勢”(バルジ大作戦)でパイパー戦闘団を率いて進撃中の彼の勇姿であるとされる。←これは間違いであることが判明している。

【参考-2】もう一つのシュビムワーゲンとも云える“トリッペル(Trippel) SG-6” の軍用バージョンについては、敢えて別稿をたてて扱いたいと考えている。

関連記事はこちらから ⇒ 【ライバル対決】 独軍 ハノマーク Sd.Kfz. 251 vs 米軍 M3 ハーフトラック

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