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【三日月ネコの日々是好日記】 カーリングに似たスポーツ(後)、スポールブール・ペタンク・ ボッチャとは 〈1647JKI56〉

ペタンク(pétanque)とは、南フランス発祥の球技で、基本的なルールはスポールブールに近いとされます。

縦15m × 横4mのコート(テラン)上に描いたサークルを基点として6~10m程度離れた位置に置かれた木製の“ビュット”(目標球)に向かって、重さ600~800gで直径が約7~8cmの金属製のブール=ボール)を投げ合って、相手側よりもビュットに近づけることで得点を競うスポーツです。1対1(シングルス)や2対2(ダブルス)での対戦もありますが、3対3(トリプルス)で行うものが最も人気の種目の様です。

この競技の発祥に関しては、フランスのマルセイユ近郊の小さな町であるラ・シオタ(La Ciotat)という処で、“プロヴァンサル”のもと名プレーヤーで、脚に障害を得て車椅子生活を余儀なくされたジュール・ルノワール(Jules Renoir)と、彼に許された特例(座ったままの)のプロヴァンサルに影響を受けたエルネスト・ピチオErnest Pitio)らによって1907年(1910年説もある)に始まったとされますが、その生まれた経緯には他にも諸説があります。

※プロヴァンサル(プロヴァンサル・ゲーム)は、ペタンクの原形になったゲームです。その為に類似点も多く、用具も全く同じものを使用します。但し投球方法に特徴があり、目標球に近づける(ポワンテする)時は1歩踏み出す事が決められており。ボールや目標球を弾き飛ばす(ティールする)時は3歩踏み出す事と定められています。実際には走りながらの3歩となり、投球する距離も長くより強い体力が要求されます。現在のフランスでは、このプロヴァンサルよりもペタンクの方がポピュラーとなってしまいましたが、今でも一部の人たちを中心に根強い人気があります。ビュット(目標球)は木製で直径が25~35㎜ですが、見易くする為に着色しても構いません。手玉の球は金属製で、直径が70.07mm、重さ550g~800gで、6個~12個ほど使用します。13点先取で勝ちとなります。

通常のプロヴァンサルでは1歩踏み出したり助走をつけて投球する必要がありましたが、ルノワールを交えて対戦する為に、ビュット(目標球)までの距離を短くして、他の健常者もサークルを描いてその中に立ち、そこから動かずに投球するというルールに変更したのです。

そこでその様子を表したプロバンス語の“ピエ・タンケ(a  pieds tanques = 「両足を揃えて」)”が、やがて一語になって“ペタンク(petanque)”という造語が生まれました。こうしてこの新しい競技は、南フランスのプロバンス地方に始まり、やがてはマルセイユを中心にフランス全土に広まったとされます。

このペタンクは、ルールが簡単で手軽にプレイ出来る上に助走なしでボールを投げるので、子供から高齢者まで誰でも楽しめることが魅力となっていますが、相手側の球を弾き飛ばしたり、味方の球を空中高く飛ばす技もあり、その投技は意外とバリエーションに富んでいます。

また自然のままの地形を利用してプレーをする為、試合会場を選びません。しかも投球時のコントロールだけでなく、集中力に加えて巧妙な戦略思考が勝敗を大きく左右する奥深いスポーツでもあるのです。

ペタンクでは、普通は手のひらを下に向け、手首を返して投球します。このような投球をすれば、ボールにバックスピンがかかり、距離をコントロールし易くなります。“ルーレット”とは、球を転がしてビュットに近づける方法です。地面の凹凸に影響され易いので注意が必要です。また“ドゥミ・ポルテ”は、球を空中に投げて地面に落とし、惰力によってビュットに近づける方法です。ボールが着地する地面の状態をしっかり頭に入れておくことが大切です。そして“ポルテ”が、球を空中高く投げ、ビュットの近くに落とす投法です。ルーレットやドゥミ・ポルテよりも難しく、技術を習得するには十分なトレーニングが必要とされています。

第二次世界大戦が終了する迄は、主にぺタンクが行なわれていたのはフランス国内に限られていた様ですが、終戦の後、西ヨーロッパやフランス語圏を中心とするアフリカや東南アジア諸国などに広く普及していきました。最近では、アメリカやカナダなどにも愛好者が増え、国際的なスポーツになりました。特に発祥国のフランスでは、サッカーに次いで盛んなスポーツとして500万人もの人々がプレーを楽しんでおり、その内の40万人がペタンクのライセンス(選手証)を持ち様々な大会に出場しています。

1950年代後半に国際ペタンク・プロヴァンサル連盟(Fédération Internationale de Pétanque et Jeu Provençal)の基盤が確立され、以降、毎年世界選手権大会が実施されています。1970年には日本ボンボール協会が設立され、翌1971年、国際ペタンク・プロヴァンサル連盟に加盟しますが、1977年には日本ボッチャ連盟として再加盟しています。1983年、日本ペタンク協会と名称を変更し、2014年以降、公益社団法人 日本ペタンク・ブール連盟となりました。

日本には1970年代初期に“ボンボール”の名で一時紹介され、その後、“ボール・カロッティ”として普及しましたが、ペタンクとして現在では40万人以上がプレー しているともされます。またペタンクが親しまれる理由は、他の同種の競技の様な専用コートなどを必要とせずに、何処でもほんの少しのスペースで気軽にプレーが可能なところにあると云えるでしょう。

 

ペタンクとスポールブールの違い

スポールブールが約1kgのボールを4個使用するのに対して、ペタンクでは約700gのボールを3個使用します。またペタンクは、使用するボールが軽くなり数も減少した為に道具類の持ち運びが楽になりました。更にスポールブールが専用コートを必要とするのに対して、ペタンクは空き地や公園などで気軽にプレーが可能で、スポールブールの一種であるプロヴァンサルから生まれたペタンクですが、本家を超えて手軽に遊べるスポーツとして世界中に広まっていきました。

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