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日本の鉄道博物館訪問シリーズ 第4回 SLキューロク館 〈17/38TFU03〉

施設の名称は、館内の代表的な展示物である9600形蒸気機関車が、「キューロク」の愛称で多くの人々に親しまれたことから「SLキューロク館」と名付けられました。 機関庫をかたどったような館内に展示してある9600形と旧型客車には乗車見学ができます。また、9600形SLは圧縮空気を動力源として、毎週土曜日、日曜日及び祝日に 1日3回運行します。9600形SLを走らせることができるのは、日本でここだけ!さらに平成27年11月29日 「SLフェスタ」に合わせて、静岡市駿府城公園から譲渡を受けた「D51146」の一般公開がされました。このD51も動きますし、運転体験もできます。真岡市所有のSLは、動態、静態あわせて(もしかしたら、全部動態?)4台。この規模で、この稼働率!(2019年2月訪問 写真はすべて筆者撮影)

さあ、さっそく館内を探訪してみましょう。入館料は無料!無料ですよ、この施設で。入ってすぐのところに売店があります。オリジナルのグッズも充実。みなさん、飲み物も食べ物も、ここで買いましょう。無料なんて、もったいないです。さあ、明るい館内には青い客車と黒いSLの雄姿があります。まずは、機関車から。

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1920年(大正9年)に川崎造船所で製造されて以来、ずっと北海道の機関区で活躍し1976年(昭和51年)に廃車された後、同年11月真岡駅まで回送、井頭公園に移設され、静態保存されていました。略歴は 使用開始は1920年札幌局、同年に黒松内移動、1927年に岩見沢、1944年 函館、五稜郭へ。1968年 北見、1975年 滝川。その翌年に廃車。筆者は井頭公園に保存展示されていた頃の姿も見ました。籠の鳥状態で、埃をかぶり、色も褪せていましたが、ここにきてこの状態。よくぞ、ここまで・・。

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この車両もドラマチックです。昭和29年(1954年)3月、日本車輌で製造、函館客車区に配置されました。ほぼ生涯を急行ニセコなどで使われました。筆者も過去の乗車歴を調べてみましたら、1980年3月24日 函館本線103レ 急行ニセコ3号で対面した記録がありました。その時の所属ももちろん、函館(函ハコ)でした。1987(昭和62)年2月廃車。1996年(平成8年)3月22日 に 船の科学館別館(フローティングパビリオン羊蹄丸)として一般公開されまし。1階(車両甲板)にあった「青函ワールド」 – 昭和30年代の青森駅前を再現したジオラマ展示(青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸に移設。)。青函連絡船 の館内でディーゼル機関車(DE10 30)にひかれて、マネキン人形を飾り、旅の風景を演出していました。連絡船内に保存されていたため、状態はまるで現役のように非常に良いです。船の科学館は、羊蹄丸船内に展示されていましたが、2011年9月に公開終了されました。そこからもまた、ドラマです。なんと羊蹄丸は、2012年3月に解体場所である四国の新居浜に向けて曳航されていきます。客車も載せたままで。そして7月に船内より引き出され、陸路トレーラーで真岡駅へ移設されたのです。船は新居浜で解体されてしまいました。北海道から四国まで、船で旅した客車。それもまた貴重です。

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1938年日本車輛名古屋工場で製造、札幌局配属。1938年の使用は追分から。1944年に長万部。その後は1973年に小樽築港。1974年に岩見沢第一。1975年に最終運転を行いました。1976年岩見沢第一で廃車となります。廃車後から静岡市の公園で保存され、2015年9月に真岡市へ移されました。機関室内も出入り自由ですが、静岡時代とは見違えるようにきれいになりました。耐寒型の機器類、切りつめデフ、前面手すり。北海道型の特徴を色濃く残してくれています。東日本では貴重な、体験運転もできます。

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1957年(昭和32年)頃まで地方の支線区の主力であった17系気動車に代わり、旅客サービスの向上を目的として、窓の改良や車体幅を広げた動車として1958年(昭和33年)に誕生しました。ここに展示されているものは1988年(昭和63年)4月まで30年間、真岡線を走っていたものです。

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1970年製造。広島での配置を皮切りに、1983年に高松。1987年にはジョイフルトレインのJR四国の〈アイランドエクスプレス四国〉の牽引機となりました。1993年に廃車になったのち、1994年から関西フレートサービスで大阪貨物ターミナル駅の入換用として活躍しました。旅客列車から貨物まで、華々しい経歴をもった機関車です。今は「SLもおか」の送り込み回送用として使用されているDE10 1535の部品取りと、展示用となっています。

ワ12
蒲原鉄道ワ11形は、積載量10トンの小型有蓋貨物車です。昭和初期に新潟鐵工所で製造されました。新潟県の蒲原鉄道で使用されていた木造有蓋車。地方私鉄向けとして躯体以外はすべて木材で構成されています。1999年に蒲原鉄道廃止後は、和歌山県の紀州鉄道金屋口駅跡で保存活動をおこなっている金屋口鉄道保存会で修復、保存されていました。木造車体の貨車のうち現存する最も古いものの1両です。新潟~和歌山~栃木。私鉄の貨車でこんな経歴をもつものはいないでしょう。

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こちらも四国から。JR四国の〈アイランドエクスプレス四国〉の牽引機という華々しい経歴を持っています。

ト60
1940年製造。島根県の一畑電車から譲渡された車輛。近年までバラスト用に現役だったそうです。

ワフ16
なんと1910年の製造!岡山県の水島臨海鉄道で晩年は救援車になっていた車輛です。

【講評】目玉の2機のSLは、いつ本線を走ってももいいような姿であり、素晴らしいです。庫外に引き出してくれるので、撮影も楽しめます。機関室乗車体験では、汽笛を思う存分、鳴らせます。庫内も明るいので足回りやキャブ内もじっくり見られます。貨車やDLはさりげなくおいてありますが、全国の私鉄から集められた貴重な車両たちです。貨物の保存は珍しいので、こちら方面のマニアも楽しめそうです。SLに比べると手入れがあまりよくないので、「お掃除会」でも企画してみたらどうでしょうか。設備も大きくまだ、可能性はありそうです。縁あってか、北海道の出身SLの保存場所になったので、各地で解体されそうなかわいそうな北海道で走った公園保存機達を、ぜひここに集結させてほしいと思いました。

【勝手に採点】  ※ 満点は☆が5つ
行きやすさ                 ☆☆
車両の見やすさ               ☆☆☆☆
保存状態                  ☆☆☆☆
貴重な車両の多さ              ☆☆☆☆
鉄道知らない人でも楽しめる度        ☆
また行ってみたい度             ☆☆☆☆

【開館時間】
10:00〜18:00
休館日
火曜日(祝日の場合は開館、翌日休館) 年末年始(12月28日〜1月3日)
観覧料(個人)
無料

 

 

 

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