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【警察小説名作選】「カウフマン警視」シリーズ 〈4169JKI00〉

ニューヨーク警察の16分署々長であるマックス・カウフマン警視は、大層な金持ちなんです。署の自室を、自費で豪華な内装(まるで高級ホテルの一室か富豪の書斎の様)に造り変えたりと、結構、わがままな性格/金持ち気質が見え隠れする人物で、ごく一般庶民である読者には鼻につく人であり馴染みにくいキャラかも知れまんせん‥‥。

さて、このトマス・チャステイン(1994年に73歳で逝去した彼は、カナダで生まれた後にフロリダで育ち、やがて新聞記者を経て作家となります)作のシリーズ各編は何れもド派手な事件(大規模犯罪や爆弾魔との闘い、停電テロそして警察署を占拠されたり)の連続であり、映像化(まるで『ダイハード』シリーズ)に向いている作品ばかり。ストーリーの展開にも勢いがあり、各作とも趣向を凝らしたスケールの大きな犯罪を題材にしているところが最大の魅力でしょう。また作品によっては意外性のある結末も用意されています。また主人公以外の作中人物にも、(犯人を含めて)魅力的なキャラが多数登場します。

【シリーズ・リスト】
1.『パンドラの匣』ハヤカワ・ミステリ1300
本作がシリーズ第1作です。さてその内容は、私立探偵スパナー(元16分署の刑事)よりマンハッタンで大規模な犯罪計画が進行しているとの情報が寄せられます。この事件の捜査責任者に任命されたカウフマンは、非常事態に備えてニューヨーク市内に大規模な捜査網を展開させますが、その作戦名が「パンドラの匣」なのでした‥‥。ちなみに、美術品に造詣が深い犯人が魅力的です!

2.『ダイヤル911』ハヤカワ・ミステリ1304
マンハッタンでは爆破事件が続発し、警察の必死の捜査を嘲笑うかの様に、犯人からはダイヤル911(緊急通報ダイヤル)に爆破予告の電話が入ります。マスコミはこの犯人を「クリスマス爆破魔」と呼び、やがてニューヨーク全市がパニック状態に陥いります。そしてカウフマンたち警察側の捜査活動と平行して犯人側の行動も同時進行で緻密に描かれていき、瞬く間にサスペンスが盛り上がる展開となっていきます‥‥。

3.『マンハッタンは闇に震える』ハヤカワ・ミステリ1363
「3百万ドル出さなければニューヨーク全市を停電させる」との脅迫をした犯人は、まず手始めに世界貿易センタービルを停電させます。110階の超高層ビルは一瞬の内にその機能を停止し、233台のエレベーターがストップして大混乱が発生しました。その後、カウフマン警視の陣頭指揮のもとに、ニューヨーク全市には大規模な捜査網が敷かれます。今作でも、送電線系統を掌握している脅迫グループの行動が警察側の活動と平行して描かれ、作者のストーリーテリングの妙を堪能できるスリリングな作品になっています。

4.『16分署乗っ取り』ハヤカワ・ミステリ1382
カウフマンが勤務している16分署が乗っ取られます。署員全員が拘置所に監禁されてしまいました。そして犯人側の要求は時価数千万ドルのダイヤモンドです。カウフマン署長の愛人や秘書のオデル巡査などの常連登場人物たちが大活躍するシリーズ最終作です‥‥。

ちなみに番外編として『子供たちの夜』ハヤカワ・ミステリ1419 があります。カウフマン・シリーズではありませんが、重複して登場する人物(私立探偵スパナーとか)が多数います。

-終-

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