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懐かしの時刻表を「読む」その7 鯛 VS うなぎ〈17/38TFU03〉

20140513_131754旅の楽しみの一つには「駅弁」があります。時刻表には、駅弁を売っている駅の表示と、それぞれの駅の名物駅弁が載っています。いつもの1966年刊行の時刻表にも、今では駅弁販売をやめてしまった駅も含めて細かく駅ごとに名物駅弁やお土産の紹介が出ていました。そして、各線での名物駅弁によく目を通していると、ある特徴がわかってきたのです。

 

それは東海道本線の名物駅弁に「たいめし」や「鯛ずし」、つまり鯛を使った駅弁が実に多いことでした。東京から下関までの区間で調べてみましょう。横浜、国府津、小田原、湯河原、熱海、三島、沼津、静岡。いずれも「たいめし」の名前で100円です。taiそのあとは少し飛んで、大阪の小鯛ずし200円、明石の鯛ずし100円、姫路のたいめし100円、福山の鯛ずし200円、尾道はたいめし100円、そして下関も鯛めし150円。実に14駅が鯛をメインにした駅弁を販売していたのです。なぜ、東海道線沿線では鯛の駅弁が多かったのでしょうか。それはたいめしの「元祖」である静岡の東海軒さんにヒントがありました。東海軒さんのホームページによると、「ある日、馴染みの魚屋が主の見舞いにと甘鯛を置いていってくれました。ちょうど甘鯛の漁期であったことからそれは毎日のように続いたのですが、この魚は煮ると身がボロっとくずれてしまい、折り詰めや商売には使えないため、もっぱら家族の食事に。ご飯の上にこのボロボロをかけると、その甘い味付けと軽い舌触りが子どもたちに大好評で、喜んで食べてくれました。」とあります。それをきっかけにたいめしの駅弁が生まれ、東海道沿線の駅で多く売られるようになったようです。静岡以東は鯛の身をそぼろ状にしたものがかかっているものが主流で、大阪以西は鯛を酢でしめて出していたようです。食べ方は違えども、駿河湾や瀬戸内海の潮の中で、身の引き締まった鯛を駅弁に利用していたのでしょう。

それに対して東北本線は「うなぎ」を使った駅弁が多くありました。うなぎといえば、浜松のイメージが強いですが、意外にも東北本線で多く売られていたのです。上野から青森の区間で調べてみました。うなぎ大宮うなぎめし150円、小山うな丼200円、黒磯うなぎ弁当200円、郡山うなぎ丼200円、ここから「うなぎめし」の名称で続きます。仙台、小牛田、一ノ関、北上、盛岡。そして終点青森のうなぎ弁当200円。こちらは10駅で販売されていました。1960年代のこの頃は、まだ天然ものの鰻が沢山、採れていたいた時代でした。利根川水系、北上川水系、青森の小川原湖など、北関東から東北にかけて川や湖沼で、その漁獲量も豊富であったに違いありません。その鰻を使った弁当はさぞ、おいしかったことと思います。

 

最近では、ご当地の食材をふんだんに用いた駅弁が多くみられるようになりました。パッケージや盛り付けもおしゃれで、新しい駅弁のカタチが出てきているように思います。今回、調べた駅弁も当時のままに今も販売されているものもありますが、残念ながら消えてしまったものもあります。往時の味をそのままに残している駅弁。これからも長く食べつがれていってほしいです。

 

 

 

 
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